斎藤 4勝目お預けも11イニング連続無失点

[ 2011年8月3日 06:00 ]

<日・ロ>3回、ロッテ打線を0点に抑えグラブをたたいてベンチに戻る斎藤

パ・リーグ 日本ハム2-3ロッテ

(8月2日 札幌D)
 日本ハム・斎藤佑樹投手(23)が2日、ロッテ戦に先発。球宴後の初登板で、5四球を与えながらも6回を4安打無失点に抑えた。斎藤は前回登板となった7月17日の西武戦(札幌ドーム)から11イニング連続無失点。チームは13連戦の初戦に敗れて今季初の4連敗を喫したが、夏場に来て快投を続ける黄金ルーキーは優勝戦線に生き残るための大きな光明だ。

 点を取られそうで取られない。毎回のように走者を背負っても、本塁だけは踏ませない。6回102球、4安打無失点でマウンドを降りた。

 「四球を多く出してしまったのが反省点ですが、直球とフォークの指(のかかり)が良かった」

 球宴後の初登板を振り返った斎藤。これで前回登板となった7月17日の西武戦(札幌ドーム)から11イニング連続無失点となった。球宴での2試合の救援登板も含むと、13回2/3で得点を許していない。

 苦しい立ち上がりではあった。初回、打者5人全てに対して初球はボール。6回まで打者26人中6人にカウント3ボール0ストライクとするなど終始ボールが先行した。ただ、斎藤自身は制球を乱したとの思いはない。だから、焦りもなかった。その最大の象徴が、福浦、今江を連続四球で歩かせた6回1死一、二塁。ここで吉井投手コーチがマウンドを訪れたが、笑みさえ浮かべる余裕。次打者・清田の初球。並のルーキーならストライクを欲しがる場面だが、「際どいところを狙いにいった」と1、2球目とも結果的にボール。投げ合ったロッテ・成瀬が「大人の投球」と評したのもうなずける。3者凡退に抑えた4回以外はピンチの連続だったが、安易にベース上で勝負しない姿勢も連続無失点と無関係ではないだろう。

 1軍マウンドは16日ぶり。その間、7月26日オリックス戦(帯広)の前にブルペン投球で調整した際、マウンドの逆傾斜を使ってピッチング練習を行った。通常はマウンドの頂に立ち投げ下ろすが、それより後ろに立ち、頂に向けて左足を出した。「体重移動を確認しました。リリースポイントをギリギリに持っていく練習です」。体が突っ込み腕だけで投げないようにするためで、実戦から遠ざかっても軸足に体重を乗せて投げられるように調整した。吉井投手コーチも「以前より打者に向かっていく投球ができていた。(要因は)体重移動、フォームのバランスですね」と評価。直球の威力を維持できたからこそ、微妙に動かす球が生きる。清田、里崎を打ち取ったのはツーシーム。要所で右打者へのツーシームが効果的に働いた。

 救援陣が打たれ、4勝目はお預けとなった。それでも斎藤は言った。「こういう試合もある。自分がもっと投げるべきだと思う」。次回登板は8日の楽天戦(Kスタ宮城)。今度もスコアボードに0を並べる。

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ 次への反省点として、ストライク先行の方が打順の巡りとか展開が良くなる。きょうは球数よりスタミナを消耗しているかなと思った。

 ▼日本ハム・鶴岡 ストライクが入る球を探して打ち損じを期待するという苦しい投球。ツーシームが良かったのでまだ勝負できたと思う。

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2011年8月3日のニュース