岩隈 今オフのメジャー移籍へ新代理人と契約

[ 2011年8月3日 06:00 ]

新代理人と契約を結んだ岩隈

 楽天の岩隈久志投手(30)が今オフの大リーグ再挑戦に向け、代理人を団野村氏(54)から、米国人のポール・コブ氏(41)に変更した。米メディアの報道を受け、2日、岩隈本人が明かした。昨年オフはポスティング・システム(入札制度)による大リーグ移籍を目指したが、交渉が不調に終わった。今オフは海外FA権を行使し、新代理人のもとで、夢を実現させる。

 3日の西武戦(Kスタ宮城)先発を控えた岩隈は広報を通じ、代理人変更についてコメントした。「去年アスレチックスとの交渉後に代理人について考えました。シーズンに集中するため、交渉事は早めに任せられる人にと思いました」。今年に入って、関係者を通じて連絡を取り、契約を結んだ。昨オフはポスティングでの移籍を目指し、アスレチックスが交渉権を獲得。しかし、団野村氏とア軍の交渉は年俸額をめぐって決裂し、岩隈はメジャー行きを1年間先延ばしにした経緯がある。

 新たに代理人となったコブ氏は幼なじみのマット・ソスニック氏とタッグを組み、カリフォルニア州にエージェント会社「ソスニック・コブ・スポーツ」を構える。顧客は大リーグ所属選手だけで30人を超え、昨年最優秀防御率を獲得したジョシュ・ジョンソン(マーリンズ)もいる。ソスニック氏は08年6月にフォーブス誌が選ぶ「球界に最も影響の大きい若手5人」に選ばれるなど、新興勢力として米球界では注目を集めている。同社が日本選手を担当するのは初めてとなる。

 楽天の同僚ラズナーの代理人も務めるコブ氏は対話重視の代理人として知られ、日本語の会話能力もある。今オフはFAでのメジャー移籍で、岩隈側に球団を選ぶ権利があるだけに、球団と太いパイプを持つ同氏は、最高のパートナーといえる。スポーツ専門局ESPN(電子版)は1日、早くも今オフの注目投手として、黒田、ダルビッシュとともに岩隈の名前を挙げた。

 だが、その前にやるべきことがある。「目標は楽天の優勝。今年もCS目指して、いろんな思いを背負って戦っています。シーズン中なので、これ以上のコメントを差し控えます」。岩隈は楽天での完全燃焼を誓った。

 ◆ソスニック・コブ・スポーツ マット・ソスニック氏は家族が経営するシリコンバレーの企業で最高経営責任者(CEO)を務めた後、約14年前に30年来の親友のポール・コブ氏とともに事務所を設立した。最初の顧客はマイナー3Aの選手。その後顧客を増やし、現在はマーリンズのジョンソン、レッズのブルース、パイレーツのマカチェンら30人以上のメジャーリーガーを抱える。現在の代理人は、両氏のほか計5人。事務所はカリフォルニア州サンフランシスコ近郊。

 ▼岩隈の海外FA権取得条件 岩隈は海外FA権取得まで残り41日間の1軍在籍が必要となる。シーズン終了まで1軍在籍なら問題なくクリアできる。さらに、5月18日に右肩痛で出場選手登録を抹消された岩隈は、故障者選手特例措置が認められる可能性が高い。同制度は、グラウンド上で起きた故障が要因で出場選手登録が145日に満たない場合に最大60日が登録日数に加算される。前年度に145日以上1軍登録した選手が条件だが、岩隈はその資格を満たしており、海外FA権取得は確実視される。

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2011年8月3日のニュース