阿部、小笠原外した…原監督、右8人先発で初もの攻略

[ 2011年7月29日 06:00 ]

<巨・横>5回2死二、三塁、フィールズは空振り三振に倒れるが振り逃げで出塁。この間にランナー2人が生還

セ・リーグ 巨人9―2横浜

(7月28日 東京D)
 苦手の「初もの」を倒した。巨人は28日、横浜に逆転勝ちし、球宴を挟んで今季初の3カード連続勝ち越し。来日初登板の左腕ブランドン・リーチ投手(27)に対し、前夜、本塁打を放った阿部慎之助捕手(32)を外し、右打者を8人並べるオーダー。今季は7投手にプロ初白星をプレゼントしていたが、原辰徳監督(53)の勝利に徹する采配が実を結んだ。29日からは首位ヤクルトとの3連戦(福島、神宮)に臨む。
【試合結果】

 試合の流れを変えたのは伏兵の一打だった。原監督は「出塁も含めてラッキーボーイ。良いところでつないでくれた」と、5月10日横浜戦(前橋)以来の「2番・二塁」で先発起用した寺内の働きを絶賛した。

 2点を追う5回1死一塁だ。そこまで打ちあぐねていたリーチから外角高めの直球を右前にはじき返す。すると、続くラミレスが左翼フェンス直撃の同点適時打。さらに2死二、三塁からフィールズへの4球目が暴投となり、一気に2者が生還し逆転した。球場の雰囲気が変わった。

 捕手、内野の全ポジションをこなし、打撃も小技が利く寺内はチームを支える縁の下の力持ちだ。試合後も長野、古城がお立ち台で大歓声を浴びる中、ベンチ裏で黙々とバットを振り続けた殊勲者は「毎日しっかり準備をしているし、もしかしたらスタメンだと思った。試合前から(坂本)勇人とチャンスをつくろうと話していた。点につながると自信になる」と静かな笑みを浮かべた。

 「初ものに弱い」レッテルも払しょくした。今季は7投手にプロ初白星(来日初勝利も含む)をプレゼント。原監督は初対戦の左腕リーチに対し、右打者8人を先発オーダーに並べた。左投手に今季打率・210と相性が悪い小笠原も例外でなくベンチスタート。27日に先制アーチを含む猛打賞をマークした阿部も外し、イースタン・リーグでトーレスとバッテリーを組んでいた実松を今季初めて先発で起用した。「トーレスを一番よく知っている実松で戦おうということ」と指揮官。勝利に徹する采配で、今季初の3カード連続勝ち越しを決めた。

 29日から9ゲーム差離れている首位・ヤクルトと3連戦。「きょうは打線が本来の100%できることをして攻撃に参加した。全力で行ってしっかり取りたい」。全員主役の総力戦で奇跡への足がかりをつくる。

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