岩隈復活!3カ月ぶり白星で楽天4位浮上!

[ 2011年7月28日 06:00 ]

<ソ・楽>7回を1失点に抑え勝ち投手になった岩隈

パ・リーグ 楽天3-1ソフトバンク

(7月27日 ヤフーD)
 頼れる男が、帰ってきた。楽天の岩隈久志投手(30)が27日のソフトバンク戦で見事な復活投球を見せた。7回5安打1失点。右肩痛による2カ月半の離脱を乗り越えて、4月26日の西武戦(皇子山)以来となる今季4勝目を挙げた。エースの好投でチームの連敗は3でストップ。4位浮上した。さあ、星野楽天に役者がそろった。ここから反攻が始まる。
【試合結果】

 2カ月半のブランクを気持ちで埋めた。謝罪、悔しさ、責任感、感謝。岩隈はさまざまな思いを胸に腕を振った。

 「悔しい思いをしながらリハビリを続けてきた。チームに迷惑をかけたので早く戻りたかった。チームは借金もあるし、2カ月ぶりのマウンドで何とかしたかった」

 本来の球威は欠いていた。直球の最速は142キロ止まり。変化球も好調時ほどの切れはなかった。それでも、岩隈には球界屈指の制球力がある。「ボールは大したことないかもしれないけど、コースに丁寧に投げた」。球を低めに集めることに徹し、内野ゴロの山を築いた。最大のピンチとなった6回。バント安打と死球で1死満塁とされると、小久保の内野安打で同点とされた。しかし、続く多村を低めのフォークで遊ゴロ併殺。「しっかり間合いを取って併殺を狙った。ゴロを打たせようと思いました」と最少失点で切り抜けた。

 7回5安打1失点。21個のアウトのうち、13個を内野ゴロで奪う岩隈らしさが詰まった98球だった。6回を終えると首脳陣から続投の意思を確認され「大丈夫です」と即答。エースの責任を十分に果たした。

 焦りともどかしさに苦しんだリハビリだった。5月17日の巨人戦(Kスタ宮城)で右肩に痛みを訴えて5回39球で降板。4月26日の西武戦で147球を投げるなど、疲労が蓄積していた患部が悲鳴を上げた。「このまま投げたら肩が飛んでしまう」。長期離脱を避けるため、首脳陣に登録抹消を直訴した。数週間で復帰できると思われたが、右肩の奥に感じる痛みや違和感は消えなかった。リハビリは予想以上に時間を要し、精神的にも追い込まれた。

 エースを欠いた先発陣は中5日の登板を強いられ、責任を感じた岩隈は、リハビリ中の2軍で自らができることを模索。チーム力を上げるため、投球術や精神面を惜しみなくチームメートに伝授した。先輩、後輩を問わず、宝刀フォークの握りやプラス思考の大切さを伝えた。

 チームは連敗を3で止め、一夜で4位に再浮上した。星野監督も「クマ(岩隈)はあそこまで投げるとは正直思わなかった。ローテは楽になるな。これからフル回転してもらわないとな」と賛辞を惜しまなかった。「地震が起きて、今年はいろんな思いを背負いながらやっている。最後まであきらめない」と岩隈。エースが戻り、巻き返しの準備は整った。

続きを表示

この記事のフォト

2011年7月28日のニュース