習志野14点圧勝!液状化被害乗り越え10年ぶりV

[ 2011年7月28日 06:00 ]

<学館浦安・習志野>甲子園出場を決め歓喜の輪を作る習志野ナイン

千葉大会決勝 習志野14-2東京学館浦安

(7月27日 QVCマリン)
 圧倒的な強さを見せつけた。戦後の千葉大会決勝では史上2番目となる14得点。千葉県の高校野球界を引っ張ってきた習志野が、10年ぶりに夏の出場権を手にした。今大会の決勝は、ともに東日本大震災で液状化被害を受けた地域同士の対戦。それだけに、優勝インタビューを受ける小林徹監督も感慨深げだった。

 「いいゲームができたと思います。甚大な被害を受けたのに素晴らしい環境で野球ができたことに感謝したい」

 最後まで攻撃の手を緩めなかった。7―0の2死一、三塁。ここで指揮官は5番片桐に意表を突くセーフティースクイズのサインを出した。「三塁の守備位置が後ろだったので面白いかな、と」。このスクイズが相手の失策も呼び2者が生還。完全に相手の戦意を喪失させた。球界には大差の展開でのスクイズを疑問視する声もあるが、小林監督は「一点一点の積み重ねで勝ってきたチーム。特別なことではない」。今春の関東大会王者は隙のないチームへと進化した。

 千葉県勢は75年の習志野以来、甲子園の優勝から遠ざかっている。かつては習志野や銚子商などが甲子園を席巻した野球王国。復活を遂げた名門が、36年ぶりに深紅の大優勝旗を持ち帰る。

 ≪2年生・在原3試合連続先発で好投≫9回に2点を許したものの、習志野の背番号8の2年生左腕・在原の好投が光った。「先発は朝、言われてびっくりしました。優勝に貢献できて良かった」。今大会はエースの泉沢に代わりフル回転。準々決勝の千葉経大付戦から3試合連続で先発を務めた。巧みなけん制や緩急をつけた投球が持ち味の在原は「甲子園は憧れの場所。楽しんで投げたい」と笑みを浮かべた。

 ▼ヤクルト・小川監督 甲子園でも今まで通りの野球で、頂点を目指して頑張ってほしい。最近は千葉の(高校野球の)レベルも低迷している感を受けるので、ひと暴れしてほしい。10年前はボールを差し入れしたので、今回も考えます。

 ▼ロッテ・福浦(94年卒OB)テレビで見て、久々に校歌を聴きました。関東大会でも優勝したし、今年は強いなと思っていたけど、決勝でも大差で勝つなんて凄い。甲子園でもいいところまで行くと思うし、優勝目指して頑張ってほしい。

 <東京学館浦安 星監督「力の差があった」>ノーシードながらシード校を次々と撃破して決勝まで勝ち進んだが、最後は力尽きた。2―14という結果に、星竜太監督は「力の差があった。序盤に浮足立っているところをやられてしまった」と潔く完敗を認めた。9回に2点適時打を放った斎藤は「打つしかないという気持ちだった。意地で(走者を)還せてうれしかった」と何度も言葉を詰まらせながらも前を向いた。

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2011年7月28日のニュース