渡辺 古巣・楽天の本拠地で恩返しの敢闘選手賞受賞

[ 2011年7月25日 06:00 ]

<全パ・全セ>2回1死一、二塁、ダルビッシュ(左)から中前田を放つ渡辺

オールスターゲーム2011第3戦 全セ0―5全パ

(7月24日 Kスタ宮城)
 <全パ>思い出がいっぱい詰まったKスタ宮城。昨季まで楽天でプレーした横浜・渡辺が、仙台の地で2安打を放ち、敢闘選手賞を受賞した。

 「感動したし、うれしかった。今年は震災があったので被害に遭った方もたくさん見ている。元気を与えられるプレーをしたかった」。お世話になった仙台の人々への感謝の思いをバットに込めた。2回1死一、二塁。ダルビッシュを相手に粘りに粘った。フルカウントからの8球目、150キロ直球を中前に打ち返した。4回にも摂津から右前打。9回には三直に倒れて2日続けて最後の打者になったが、初選出された球宴で賞金100万を手にする大活躍を演じた。

 楽天でプロ入りから4年間プレー。チームリーダーとして活躍し、地元では絶大なる人気を誇った。この日も打席に入るたびに大声援で迎えられた。それが昨オフに金銭トレードで横浜に移籍。その翌日に契約更改交渉を行った嶋、鉄平、草野がそろって号泣した。この様子を伝え聞いた田淵ヘッドコーチが「渡辺だけは出しちゃいけなかった。どうして(球団を)止めてくれなかったのか」と、星野監督に食ってかかったこともあったほどだ。

 「球場に来ている間だけでも、(被災した)苦しさを忘れて楽しんでもらえたら」。渡辺の優しさはプレーから十分に伝わった。

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2011年7月25日のニュース