畠山 初出場MVP弾!故郷・東北に勇気と元気与えた!

[ 2011年7月23日 06:00 ]

<全セ・全パ>5回、畠山は左越え3ランを放ちガッツポーズ

オールスターゲーム2011第1戦 全セ9-4全パ

(7月22日 ナゴヤD)
 <全セ>うれしい。でもちょっと恥ずかしい。打った瞬間、ヤクルトの畠山は全セのベンチに向かって右拳を突き上げた。ベンチ上には美里夫人の姿も。会心の一撃…のはずだったが、打球は左翼席最前列に着弾。内心はヒヤヒヤだった。

 うれしい。でもちょっと恥ずかしかった。打った瞬間、畠山は全セのベンチに向かって右拳を突き上げた。ベンチ上には美里夫人の姿もあった。会心の一撃…のはずだったが、打球は左翼席最前列に着弾。内心はヒヤヒヤしていた。

 「気持ち良く打てました。中段までいくと思ったら結構ギリギリ。入らなかったら大恥かくところでした」。5回、同点に追いついてなお1死二、三塁。「こんなにおいしいところはない。思い切って振ってやろう」。技巧派左腕、武田勝の変化球に狙いを絞った。初球、内角低めのスライダーを豪快にすくい上げた。シーズン同様、球種を読みきってのフルスイングは見事な勝ち越し3ラン。プロ11年目で初の夢舞台で最高の仕事をやってのけた。初出場選手のMVPは日本人野手に限れば97年の西武・松井稼頭央(現楽天)以来14年ぶりの快挙だ。

 「東北の人たちも楽しみに見てくれていると思う。何とか勇気と元気を与えるプレーをしたかった」。岩手県花巻市出身。東日本大震災で県沿岸部に住んでいた専大北上野球部の同期は無事だったが、津波で家が流された。少しでも復興への力になりたい。球宴の復興支援企画でナゴヤドームに招待された岩手県の山本正徳・宮古市長は、全国に向けて支援の感謝メッセージを送った。畠山もバットで故郷にありったけの勇気を届けた。

 畠山のバットがヤクルト首位独走の原動力。今季本塁打を放った試合は8勝1分け。不敗神話は球宴でも生きていた。そして球宴史上初の1イニング4発の主役となり賞金300万円もゲット。使い道は「嫁さんとの記念の物を買おうと思う」と愛妻家ぶりを発揮した。

 第3戦の仙台には岩手の実家から両親も駆けつける。「東北出身の選手としていいプレーをして、被災地の方に喜んでもらいたい」。ヤクルトのお祭り男はどこまでも力強く、頼もしかった。

 ≪ヤクルト選手の球宴初試合弾は23年ぶり≫畠山(ヤ)が球宴初試合で勝ち越し3ラン。ヤクルトで球宴初試合に本塁打を放ったのは60年(3)戦の巽(初打席)、88年(1)戦の池山(2打席目)に次いで23年ぶり3人目。球宴初試合での本塁打がV打となったのは畠山がチーム初めてだ。

続きを表示

この記事のフォト

2011年7月23日のニュース