最初で最後の“登板” 唯一の女子選手「野球できてよかった」 

[ 2011年7月14日 17:50 ]

滋賀大会の始球式を務め、笑顔を見せる県立甲西高校の佐伯晶子さん

 全国高校野球選手権大会滋賀大会の開会式で14日、滋賀県内唯一の女子選手で県立甲西高校(同県湖南市)3年の佐伯晶子さん(17)が始球式でピッチャーを務め、3年間の野球への思いを詰め込んだ重い一球を投じた。

 高野連の規定で女子は公式戦に出場できないため、学校が佐伯さんを推薦。「3年間は早かった。野球ができてよかった」。最初で最後の「登板」に涙を見せた。

 小学2年の時、兄の影響で野球に出会った。中学は女子が野球部に入れないと知り、ソフトボール部に。

 それでも野球の迫力に魅せられ、高校で野球部への入部を希望。主将の岡本崚さん(18)は「初めは確かに心配だったが、それを跳ね返す頑張り屋。同じ練習をこなし、男女の違いなんてないチームメートです」と話す。

 「投げるのは一球。お世話になった人たちに感謝を込め、生きた球を真っすぐに投げたい」。13日にそう話した佐伯さん。「頑張れ!」という歓声の中マウンドに向かった。

 終えた後は「(練習で)キャッチボールをしていた時から緊張していた。(球が)ちょっと高かった」と振り返った。思いが込み上げ時折言葉を詰まらせていたが、最後には笑顔も。

 甲西高校の初戦は17日。佐伯さんはチームの勝利を祈り、スタンドから熱い声援を送る。

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2011年7月14日のニュース