相川決めた!サヨナラで2位中日に6差独走態勢へ

[ 2011年7月14日 06:00 ]

<ヤ・中>10回2死満塁、相川が右前にサヨナラ安打を放ち、ナインに手荒い祝福を受ける

セ・リーグ ヤクルト6―5中日

(7月13日 神宮)
 責任感の塊となって一打にかけた。同点の10回2死満塁。ヤクルト・相川は外角の143キロ直球に両腕を伸ばした。右前で弾む打球に右腕を突き上げる。7月に入って早くも3度目、今季6度目のサヨナラ勝ち。一塁ベース付近で、駆け寄る仲間にもみくちゃにされた。

 「本当に必死でした。捕手として一番やってはいけない結果。ずっと頭から離れなかった」

 2点リードの9回。守護神・林昌勇の登場で勝敗は決着するはずだった。しかし、無死一塁で森野を迎え、2ストライクと簡単に追い込みながら、3球目のフォークを右翼席に運ばれた。「ボール球を投げさせることもできたのに、バットが届くところに来させてしまった。本当は林昌勇で(試合を)終わらせなきゃいけなかった…」。ざんげの念を抱き続け、10回の打席には「自分がヒットを打てば終わる」と信じて立った。

 責任感は人一倍強い。5月上旬に古傷の左脇腹を痛め、今月10日の阪神戦(秋田)でも本塁上のクロスプレーで左肩を強打したが、1試合休んだだけで復帰した。本人は「出ているんで大丈夫」としか口にしないが、痛みに加えて連日の猛暑。捕手の防具を着ける分、グラウンド上で最も過酷な環境で戦っている。

 チームは今季最多の貯金14。今季7度の延長戦は4勝3分けと負けなしだ。小川監督は9回に同点にされたことには「野球の試合に完璧はない」とした上で、「持ち場、持ち場でよくやってくれている」と選手をねぎらった。10回は10球粘って左前打を放ったバレンティンがいて、四球を選んだ代打・宮出もいる。仲間が相川のために用意した名誉挽回の機会だった。まさに全員野球。2位・中日とは6ゲーム差。完全に独走態勢に入った。

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