星野監督 斎藤攻略ズバリ!低めの見極めが決め手

[ 2011年7月12日 06:00 ]

<日・楽>4回1死満塁、鉄平の右犠飛で勝ち越し、手を叩く星野監督

パ・リーグ 楽天5-3日本ハム

(7月11日 札幌D)
 新人投手に2連敗するわけにはいかない。リーグ最少のチーム得点183と低迷する楽天打線が、斎藤を4回でKO。「持ってる男」に黒星をつけた。

 星野監督が試合前に見せた余裕そのものの試合運びだった。試合前練習を見るために一塁ベンチに座ると「きょうはドラフト1位対決?相手先発は誰だっけ?」と天を仰いで数秒間考え込んだ。斎藤が先発と知り「あっ、ドラフト1位の同級生対決か」。それ以上は何も語らなかったが、頭の中には攻略のイメージが出来上がっていた。

 松井稼がチーム方針を代弁した。「低めの見極めを意識した。斎藤君は低めに丁寧に投げてくる投手ですから」。4回2死一、三塁で、左翼フェンス直撃の適時二塁打。ボールになる変化球を2球見逃して、3球目のツーシームを振り抜いた。前回対戦した4月24日は2打数無安打と沈黙。低めのフォークに空振り三振を喫したが、同じ失敗は繰り返さなかった。

 斎藤の持ち味は低めへの制球力にある。150キロを超える剛速球や、鋭く変化する球はないが、ストライクからボールになる変化球を振らせる技術がある。攻略の鍵は低めの見極めだった。逆転された直後の4回に打者8人で3得点。一気にたたみかけて、マウンドから引きずり降ろした。前回対戦では、斎藤に6回3失点でプロ2勝目を挙げられた。星野監督が「投球術を持っている。ダルビッシュや田中のような力のある球はないけど、打者との駆け引きがうまい」と評価する技術に苦戦した。6回1四球で90球。低めのボール球に手を出して斎藤を助けたことを嘆いた。この日は、4回で78球。ボールになる変化球にバットを止め、2四球を選んで得点につなげた。

 斎藤を攻略して連敗を止め、最下位転落の危機を脱した。しかし、試合後の指揮官に笑顔はなかった。試合を決める一本を欠いて12残塁を積み上げた打線に「残塁が多すぎるわ」と一喝した。新人投手をKOするのは当然。満足するのは早すぎる。

 ▼楽天・塩見(2カ月ぶりの白星で2勝目)ドラフト1位対決は意識しました。相手より早くマウンドを降りるなと言われていたので、よかったです。

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2011年7月12日のニュース