マエケン討ち!坂本、執念の自力V消滅阻止打!

[ 2011年7月9日 06:00 ]

<巨・広>6回2死一、三塁、左前に勝ち越し打を放つ坂本

セ・リーグ 巨人4-3広島

(7月8日 東京D)
 集中打で窮地を脱した。巨人は8日、広島戦の3点を追う6回に5連打を含む6安打で鮮やかに逆転。坂本勇人内野手(22)の左前適時打が決勝打となった。球団ワーストの開幕63試合目で自力優勝が消える危機を脱し、連敗も4で止めた。9日にヤクルトが勝ち、巨人が負ければ自力優勝消滅の状況は変わらないが、どん底からの白星で意地を見せた。

 最後も坂本だった。9回2死、代打・天谷のボテボテの遊ゴロを軽快なランニングスローでゲームセット。5連敗、自力優勝消滅を免れる決勝打とともに大きな白星の最後を締めた。

 「自分のヒットよりチームが勝ったことが何よりもうれしい。みんなでチャンスで回してくれたので思い切って行った。みんなに乗せられて打つことができました」

 6回の猛攻を締めた。怒とうの5連打で同点としさらに2死二、三塁の好機。1ボールからの外角へのスライダーを左前に運んだ。この回6安打目となる決勝の左前適時打。「前の打席が内容が悪かった。情けないバッティングだった」。前田健に3回は遊飛、5回は左飛と2度、初球の外角へのスライダーでやられた。6回は5回と球種、コース、127キロの球速も同じだった。指揮官の叱咤(しった)もあった。5回の左飛の直後、ベンチで立っていた原監督に呼ばれ厳しい表情での言葉にうなずく坂本の姿があった。「そう?記憶にないね」と原監督はとぼけたが、やられたらやり返す思いが重なった。

 今季63試合目。負ければ80年の66試合を抜く自力優勝消滅の球団ワースト記録の危機だった。松本を1軍昇格即スタメンで2番に据え、小笠原を今季初めて三塁で先発起用、一塁に高橋由を据える布陣を敷いた。

 その打線がつながった。ヤクルトにサヨナラ敗戦した前日は白だった腕時計は黒に。ノックバットも新品が下ろされるなど、指揮官も現状打破へ必死だった。久々に笑顔の試合後の会見では「6回の1イニングだったけど、ゲームの中で流れるのは久しぶり。きっかけにしたい」と反攻を期待した。

 3点差をワンチャンスの集中打で返した勝利。「結果としていい結果が出たので、あすもゲームがあるし、つなぐ意識を出していかないといけないと思う」と坂本は言った。6安打中5本が単打だった6回の逆転劇。チームが掲げる勝つための「結束」がようやく生まれた。

 ▼巨人・ラミレス(6回、先頭の長野に続く左前打)今年は2008年のような年になる。直感だけどね。この調子で巻き返して優勝するチャンスはある。どうスタートするかじゃなく、どうゴールするかが大事。

 ▼巨人・松本(6月15日のロッテ戦以来の1軍出場。初回、今季初安打となる右前打)ホッとした。まだ、1軍で貢献していないので、いい働きができるようにしたい。
 

 ≪得点圏打率、トップ独走!≫巨人が3点を追う6回に6安打で4点を奪い逆転勝利。1イニング6安打は昨年9月19日阪神戦の初回以来、5連打は同年6月29日広島戦の4回以来でともに今季初となった。坂本は前田健から今年5月15日に続き通算2度目のV打。この日唯一の得点圏で結果を出し、今季得点圏打率は・463(41打数19安打)で両リーグトップを独走している。なおこの日は自力V消滅を免れた巨人だが、9日の広島戦に敗れ、首位のヤクルトが阪神に勝つとやはり自力優勝の可能性がなくなる。

続きを表示

この記事のフォト

2011年7月9日のニュース