「一矢報いたい」金光監督「ビッグ3」投入宣言

[ 2011年7月9日 06:00 ]

最終戦の地、ネブラスカ州オマハに到着した(左から)明大・野村、東海大・菅野、東北福祉大・生多

 第38回日米大学野球選手権に出場している大学日本代表が7日(日本時間8日)、第4戦、最終第5戦が行われるネブラスカ州オマハ入りした。チームは3連覇を逃し、現在3戦3敗。金光興二日本代表監督(法大)は、8日(同9日)に変則ダブルヘッダーで行われる2試合で、菅野智之投手(東海大4年)ら「大学ビッグ3」全員の投入を宣言した。サスペンデッドとなっている第1試合(3回裏から再開)は東浜巨(亜大3年)が登板、第2試合は大瀬良大地(九州共立大2年)が先発する。

 このままでは終われない。飛行機を乗り継ぎ、約6時間かけて大学野球の聖地とされる最終決戦地に乗り込んだナイン。金光監督は「一矢報いたい。総力戦で臨みます。(3投手を)中継ぎから抑えで使う。必ず出します」と力強く宣言した。

 日本はここまで3試合で、全て7回に逆転を許して3連敗。菅野、藤岡貴裕(東洋大4年)、野村祐輔(明大4年)の3人がいずれも敗戦投手となったが、指揮官の信頼は揺るがない。「長いイニングというより短いイニングを、それぞれの投手が抑えていくような戦いに変えたい」と、重要な局面で投入するつもりだ。

 8日が大学日本代表として最後の登板となる菅野は「下の代に何かを残してあげたいなという気持ちはある」と気合。藤岡も「5連敗は屈辱的なので避けたい」と誓った。万が一、5戦全敗となれば、03年の第32回大会以来の屈辱となる。ここまで9打数無安打と不振で、第4戦はベンチスタートの伊藤隼太(慶大4年)も第5戦は先発復帰する見込み。22人、全員の力を結集して1勝をもぎ取る。

 ≪洪水被害に指揮官神妙…≫オマハ周辺は先月末に記録的な豪雨に見舞われ、市の東境を流れるミズーリ川が氾濫。大きな洪水被害を受けた。金光監督もオマハの空港に着陸する直前に、飛行機の窓から水没した民家や道路を目の当たりにした。34年前の77年の第6回大会では、江川卓(元巨人)らとともに選手として同地を訪れた指揮官は「日本も東北地方の大地震があった。思いは同じだと思う。野球ができる。そのことに感謝の気持ちを持って臨みたい」と神妙な表情で話した。

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2011年7月9日のニュース