原巨人 借金10…球団創設以来6度目の屈辱

[ 2011年7月8日 06:00 ]

<ヤ・巨>サヨナラ負けに肩を落とす原監督

セ・リーグ 巨人2-3ヤクルト

(7月7日 神宮)
 敗戦にうなだれたまま球場を後にしようとする巨人・越智と阿部に、原監督が歩み寄った。「開き直っていこう!しようがない」。しかし、その指揮官の目も真っ赤に染まっていた。

 「同じようなゲーム展開になりますね…。みんなでカバーし合うんだけど、うまくいかないな」。言葉を絞り出す指揮官の背に、「何とかしてくれ!」というスタンドのファンからの悲痛な叫びが突き刺さった。

 ヒーローをヒーローにしきれない。4回1死一、二塁。大村が先制右前打。ロッテから移籍後2度目の先発出場で仕事を果たした。前夜の敗戦後、原監督は「チームを救う真の男が出てこない」と言った。待望の救世主に大村がなっても不思議ではなかったが、ここから追加点が奪えない。さらに好投を続けていた内海が8回に力尽き、同点打を許した。大村は1日の中日戦(東京ドーム)でも、同点の8回に代打で登場。移籍初打席で1号ソロを放ったが、試合は逆転負けを喫した。

 指揮官は何度も動いた。積極的に代打、代走を起用し、守備位置も動かした。1点リードの8回にホワイトセルを迎えると、ベンチを飛び出し、マウンド上で内海を鼓舞した。延長10回2死二塁、延長11回無死満塁と計3度もマウンドに足を運んだが、白星にはつながらなかった。

 首位ヤクルトに2分けを挟んで7連敗。ついに借金は10に膨らみ、8日にも自力優勝の可能性が消える非常事態。主将の阿部は「本当に悔しい。とにかく打っていくしかない」と厳しい表情で話した。まだシーズンの折り返しにもならない62試合目にして、原巨人が窮地に追い込まれている。

 ≪借金10は球団6度目≫巨人がサヨナラ負けを喫し、借金は今季最多の10に。巨人の2桁借金は75、92、97、05、06年に次いで球団6度目の屈辱だ。ヤクルト戦は2引き分けを挟み7連敗。同カード7連敗は97年21~27回戦以来、14年ぶり7度目。54、57年に喫した8連敗のワースト記録にあと1と近づいた。巨人はきょう広島戦に敗れると、今季63試合目にして自力優勝が消滅。月日では97年7月1日が最速だが、試合数では80年の66試合を抜く球団ワーストとなる。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(4投手の必死の継投に)ピッチャーはよく頑張っていた。誰も責められない。

 ▼巨人・岡崎ヘッドコーチ(打撃陣に)中盤で中押しができたゲームは獲れているし、できないゲームは落としている。これが現実。切り替えてやるしかない。

 ▼巨人・内海(8回途中2失点も10勝目ならず)後半、勝負球が甘くなった。ホワイトセルに打たれた1球は悔いが残る。

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2011年7月8日のニュース