マー君　オセロ脱出の９勝目…３失点も七夕に勝ち星

＜オ・楽＞２回、田中は大引に適時打を浴び本塁ベースカバーに走る

パ・リーグ 楽天４－３オリックス

（7月7日 京セラＤ）
　楽天・星野監督から尻を叩かれ、佐藤投手コーチとは控えめにグータッチ。そのたび田中は「すいません」と口にした。苦しみながら９勝目を挙げた右腕は「体、心、全てのバランスが悪かった。チームに迷惑を掛けた。情けない」と敗戦投手のような言葉を並べた。

　防御率１・０８を誇ってきた右腕が別人のようだった。森山投手コーチが「体重が前に乗らず、ボールが高めに浮いている」と指摘したように、今季初めて２回連続で中５日での登板となった影響か、立ち上がりから制球に苦しんだ。最近５試合で四球はわずか２個だったが、この日は３回までに２四球を与えた。

　それでも、踏ん張った。味方が勝ち越した直後の５回無死一、二塁のピンチをしのぐと、フォームを修正した６回はこの日唯一の１５０キロを計測するなど、力のある直球を投げ込んだ。伊藤、大引を連続三振に仕留め、坂口も中飛。この試合初めての３者凡退に抑えて、マウンドを譲った。

　３失点、被安打９はともに今季ワースト。それでも自身６連勝でチームに白星をもたらし、防御率１・２７は依然として１２球団トップ。チームはリーグ戦の再開から１２試合連続で負け、勝ちを繰り返していたが、七夕の夜に６月１１日以来の連勝を飾った。「ようやくオセロから解き放たれたよ」と星野監督。借金は５まで減った。「もう１回やり直して、次にいい投球ができるようにしたい」。田中を先頭に、再び上位浮上を目指す。