青木　サヨナラ打…巨人戦は引き分け挟み７連勝

＜ヤ・巨＞延長１１回、サヨナラ打の青木（背番号１）はナインから手荒い祝福を受ける

セ・リーグ ヤクルト３－２巨人

（7月7日 神宮）
　ヤクルトの青木は祈りながら走った。「セーフになってくれ！」。中堅に抜けそうな打球を好捕した円谷が二塁へのグラブトス。それより先に一塁走者の川本は二塁に到達していた。今季５度目のサヨナラ勝利。不動のリードオフマンは喜びを爆発させた。

　「最高ですね。開幕してから全然チャンスの場面で巡ってこなかったので、やっぱりうれしい」

　延長１１回。無死満塁の絶好機から相川、代打・藤本が凡退。青木に打席が巡ってきた。そして２ボール１ストライクとなったところで、小川監督は野手でただ１人残っていた捕手の川本を一塁走者の相川の代走に送った。野手全員を使った総力戦。青木は自らの安打の確率を高めるベンチワークと解釈。事実、１６人目の野手である川本の激走がサヨナラ勝利につながり、青木は「監督に助けられた。チームプレーだと思った」と振り返った。

　満身創痍（そうい）だった。３日の広島戦（マツダ）で左足首を捻挫。治療を続けながら志願して試合に出続けた。「チームのいい流れを切りたくない。（僕の）代わりに出た人が結果を残せずに負けたら悪いですから」。足首にはテーピングすらしていない。足首を固定することで打撃に悪影響が出るのを避けるためだ。「だったら痛いのを我慢した方がいい。そういう立場にもあると思う」。青木の責任感、そして忍耐力が報われた。

　これで対巨人戦は２分けを挟んで７連勝。貯金も今季最多の１２とした。青木はプロ１年目の０４年から１度も優勝経験がない。最大の敵は巨人。だからこう言った。「巨人は意識するし、そこを倒さないと上にはいけない。今年は充実している」。巨人戦は打率・３９５。今季初のお立ち台。その姿は光り輝いていた。

　▼ヤクルト・小川監督（延長１１回に川本の代走が的中して）するべきことをしておかないとね。あのまま引き分けていたら悔しい試合だった。青木がよく打ってくれた。

　▼ヤクルト・宮本（１１回無死一塁で喉元に死球を受ける）あっと思ったら当たっていた。息ができなかった。（試合後は）喉のあたりが風邪をひいたときのような感じ。アイシングをしたので、大丈夫です。