西岡 メジャー初3安打!引きつける打法で復調気配

[ 2011年7月8日 06:00 ]

<ツインズ・レイズ>5回、左前打を放つ西岡

ア・リーグ ツインズ5―12レイズ

(7月6日 ミネアポリス)
 ツインズの西岡剛内野手(26)が6日(日本時間7日)のレイズ戦で、メジャー初の3安打を放った。打率1割台と低迷していたが、軸足を意識してボールを引きつける本来の姿が戻った。 昨年ロッテで年間27度の1試合3安打以上の日本記録を樹立した「猛打賞男」が、大リーグの舞台で初めて納得の打撃を実践。勝利には結びつかなかったが、巻き返しへ自信を深める一戦となった。
【試合結果】

 これまでとは手応えが違った。オープン戦も通じてメジャー初の3安打の固め打ち。安打が出ても「たまたまきょうの投手の球筋に合っただけかも」と話してきたが、3投手から3安打。西岡の声には力があった。

 「無駄な動きがなく、昨年打っていたスイングが、初めてメジャーに来てできた。逆らわずボールに反応できた」

 5、6回の左前への2安打はともに外角球を逆方向へ運んだもの。そして8回はチェンジアップをしっかりと引きつけて右前へはじき返した。いずれも力が伝わった鋭い打球だった。3回の四球も合わせ全打席出塁。ボールを最後まで見極めることができた。

 「軸足が動かず体が前に行かないこと。前に行くと、アウトコースが届かなくなる。しっかり軸が残っていれば、アウトコースも引きつけて、力の入った打球を打ち返せる」。昨年、206安打を放って首位打者を獲得した男の基本軸だ。緩急に崩されることなく、軸を残して球を捉える。日本記録となるシーズン27度の1試合3安打以上を記録した西岡が、メジャー25試合目、前半戦本拠地最終戦で、ようやく本来の姿を取り戻した。

 「今まで積み上げてきたことをそのままぶつける」。西岡がメジャー挑戦を前に決めたことが、実践できなかった。左すねの骨折から復帰して以降も不振が続き、打率は1割台に低迷。「僕が打席に立ったら“本当にこいつ打つのかよ”という雰囲気も感じる」とこぼしたこともある。無理に球を追いかけ、打撃は崩れた。「精神的に結果を欲しがっていた」――。

 そんな西岡を楽にしたのがロン・ガーデンハイアー監督だった。前日の試合後に西岡を監督室に呼んだ。「子供の頃、野球をやっていた時のような気持ちで楽しんでやってくれと伝えた」。ロッテ時代のビデオも見て、本当の西岡の姿を知る指揮官は「ここからが始まりだ」と笑顔で言った。

 ただ、これで満足するわけにはいかない。西岡は「吹っ切れてはいない。チームが勝てるように貢献していきたい」と表情を引き締めた。下位に低迷するチームとともに逆襲を心に誓っている。

 ≪日本人史上10人目≫西岡のロッテ時代の1試合3安打以上は通算72回。年間206安打した昨季は27回記録し、96年にオリックスのイチローが記録した26回を抜いてプロ野球新記録を樹立した。メジャーでの1試合3安打以上は日本人史上10人目。最多はマリナーズのイチローで216回となっている。ちなみに1試合4安打以上は9人おり、1試合5安打以上は5人。日本人投手は1試合2安打が最高。

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2011年7月8日のニュース