和田「いい思い出ない」天敵のレオ斬り

[ 2011年7月7日 06:00 ]

<西・ソ>7回1死 和田は、栗山の打球にジャンプしグラブを差し出す

パ・リーグ ソフトバンク5-2西武

(7月6日 西武D)
 昨季のリーグ覇者の風格漂う完勝劇だった。両リーグを通じて40勝一番乗り。その立役者はソフトバンクの先発・和田だった。

 「自分自身、昨年は西武に(1度しか)勝っていないし、勝ちたい、と思って臨んだ。大事な投球だと思って、気合を入れて投げた」

 西武は天敵だった。昨季は17勝でMVPを獲得したが、西武には1勝4敗、防御率8・04と打ち込まれた。今季は初対戦。強力打線にあえて直球勝負を挑んだ。初回2死から中島を1ボール2ストライクと追い込むと、最後は外角低めに141キロ直球を投げ込み見逃し三振。直球の精度を測るには十分な相手だった。

 「真っすぐが良かったし、コントロールも低めに集めることができた」。球速は140キロ前後でも、球の出どころが見えづらいフォームから繰り出す直球が低めに決まれば、打たれない。先発メンバーに8人いた右打者の内角を大胆に攻めて、振り遅らせる。9奪三振中、5三振を直球で奪った。前回登板から上下のバランスを修正した球には力があった。速球が走れば変化球も生きる。チェンジアップやスライダーでも簡単に凡打にし、「うまく打ち気をそらすことができた」。三塁すら踏ませず、8回を無失点。5月3日の楽天戦(ヤフードーム)から自身7連勝を飾った。

 昨オフの自主トレで5キロ増の81キロと体を大きくし、ハンマー投げなどのトレーニングで体幹を強化。「体のコアがでかくなった。出力が上がった気がする」。一回り大きくなった肉体が、力勝負を可能にした。

 チームは新たな危機に直面していた。前日の西武戦(西武ドーム)で左膝を負傷した正捕手の細川がこの日に出場選手登録を外れた。内川、多村に続く、主力の離脱。その中、今季初スタメンマスクとなった田上が好リード。選手層の厚さをあらためて見せつけた。

 秋山監督は「きょうの和田は球が走っていた。直球が良かった」と左腕を称えたが、和田の目指す高みはまだ先にある。「球数が多くて(129球)9回投げられなかったので、次の課題にしたい」。貯金を20とし、2位・日本ハムに再び2ゲーム差をつけた。和田が連勝を続ける限り、ソフトバンクの首位の座は安泰だ。

 ≪65年南海以来11度目≫ソフトバンクが04年以来、7年ぶりの両リーグ40勝一番乗り。63試合目での到達となったが、チームで開幕63試合以下での40勝は南海時代の65年に49試合目(40勝9敗)で記録して以来、46年ぶり11度目。過去10度の最終順位は優勝7度、2位3度と全て2位以上だ。

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2011年7月7日のニュース