ヤクルトが巨人戦6連勝 V年以来の吉兆

[ 2011年7月7日 06:00 ]

<ヤ・巨>9回1死一塁、館山が代打・大村を二ゴロ併殺に抑えガッツポーズ

セ・リーグ ヤクルト4-2巨人

(7月6日 神宮)
 首位ヤクルトは6日、セ・リーグ防御率トップの館山昌平投手(30)が巨人打線を2点に抑え、109球の完投で7勝目。バットでも2回に勝利打点となる適時打を放ち、チームを3連勝、今季最多の貯金11に導いた。10年連続で負け越している巨人に対し、引き分けを挟んで6連勝。これは日本一になった97年以来で、苦手意識を払しょくしたツバメ軍団が首位固めへ加速する。

 今季神宮初開催の巨人戦を制し、チームは一塁側ベンチ前に整列した。10年連続負け越し中の天敵を相手に、97年以来14年ぶりの同カード6連勝。当時を知る主力選手は40歳の宮本だけだ。時代は変わった。

 「本当によく投げてくれた。最初はどうなるかと思ったが、ずっと良い状態で投げてくれたのでこういう日もある」。小川監督は粘投の館山をねぎらった。今季1敗しかしていない右腕は珍しく苦戦。初回はわずか4球で1死一、三塁のピンチを招いた。ラミレスをフォークで二ゴロ併殺打に仕留めたが、2回は阿部に5号ソロを被弾した。

 しかし、修正能力の高さが館山の長所でもある。イニング間で女房役の相川から「腕の振りが鈍い」と指摘。狙われた横の変化球を見せ球に使い、最も調子の良かったフォークを武器に配球を組み立て直した。3回1死一、三塁ではラミレスを再びフォークで空振り三振。4回以外は毎回走者を出して9安打を浴びたが、粘って完投の今季7勝目だ。09年は2勝3敗、防御率6・81と苦手だった巨人に対し、今季は3試合全てで8回以上投げて2勝0敗。館山自身も巨人への苦手意識はなく、防御率、勝率のリーグトップをキープした。

 打撃でも魅せた。同点の2回、1死二塁で直球をとらえて右翼フェンスを直撃。自ら2点目を叩き出し、味方の援護につなげた。守備では8回2死一塁で阿部の打球が足に当たったが、すぐさま拾って一塁送球。ウエートトレーニングに励む99キロの体を盾に「ボールが当たっても痛くない」と冗談めかした。しかし、2点リードの8回はバントを2度ファウルにし、思わずバットを叩きつけて折ってしまう場面も。代わりのバットで犠打を成功させたが「あれは反省しています」と大きな体を縮めた。

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2011年7月7日のニュース