両目角結膜炎のスレッジ 一番見える内角高めを満塁弾

[ 2011年6月30日 06:00 ]

<横・中>5回2死、スレッジは右越えに満塁弾を放ち、村田(左)に迎えられる

セ・リーグ 横浜12-3中日

(6月29日 横浜)
 見えづらければ、一番見やすいボールを打てばいい――。5回に試合を決める代打満塁弾を放った横浜のターメル・スレッジ外野手(34)。両目の病気のためにスタメンを外れ、節電ナイターの中で代打に立ち、最も見える体の近くの球を待って球団史に残るグランドスラムにつなげた。
【試合結果】

 勝負の打席に向かうスレッジの狙いは単純明快だった。一番よく見えるボールを打つ。そのボールとは、最も体に近くて最も目に近いコース。内角の高めだった。

 「体の近くに来たらアグレッシブにいこうと思ってたんだ」。こう説明するのは5回2死満塁での打席だ。好投していた小林太の代打。尾花監督が勝負を懸けたのは分かっていた。ただ、状態は万全ではない。だから狙いを絞り込んだ。

 初球の外角直球は見逃した。2球ボールが続いて4球目、打者から一番遠い外角低めの直球を空振りする。これがポイント。初球と同じように見逃せば内角狙いを悟られかねない。かと言って見えづらいコースを打っても結果は望めない。空振りしたことで、中日バッテリーはフルカウントから内角を選択。スレッジはこれを待っていた。打球は右翼席へ一直線。代打満塁弾となった。

 「正直、まだ目は痛みがある」。両目に角結膜炎を発症したのは26日の朝。両目が真っ赤に腫れて全治1~2週間と診断された。この日がスタメンを外れて3試合目。目薬を替えて腫れはひいてきたが、見えづらさに変わりはない。

 絶好調だった開幕直後に「大きく見える」と言ったボールは今「少し小さくなった」。でも、少し小さいボールは見えづらくたって、工夫すれば本塁打にできる。

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2011年6月30日のニュース