西岡 70日ぶり先発復帰「楽しい時間はすぐすぎる」

[ 2011年6月18日 06:00 ]

<ツインズ・ホワイトソックス>8回に二塁内野安打を放つ西岡

ア・リーグ ツインズ1―0ホワイトソックス

(6月16日 ミネアポリス)
 ツインズの西岡剛内野手(26)が16日(日本時間17日)本拠地でのホワイトソックス戦に「3番・遊撃」で先発し、左すねの腓(ひ)骨を骨折した4月7日のヤンキース戦以来、70日、61試合ぶりのメジャー復帰を果たした。打っては8回の第4打席に二塁内野安打、守っても公式戦初の遊撃で毎回のゴロを処理した。試合も1―0で勝利した。
【試合結果】

 心地良い疲労と安どの思いが西岡の体を包み込む。70日ぶりのメジャー復帰。2カ月遅れの本拠地デビューだったが、3万9484人の観衆の期待に十分に応えた。

 「本当に幸せな日だった。試合が短く感じた。楽しい時間はすぐすぎる。ケガをして期待を裏切ったが、ファンが僕のことを受け入れてくれたのでうれしかった」

 二塁を守った開幕時と違い、遊撃手カシーヤの不振から復帰後は遊撃を任された。主軸の相次ぐ故障で3番にも入った。だが、動きがぎごちなかった開幕戦とは違った。「開幕戦は緊張感に負けてしまっていたが、プレッシャーを楽しめた」。野球ができる喜びをプレーで体現した。

 遊撃での守備では11個のゴロが飛んだ。6回に失策を犯したが、8回2死、クエンティンの三遊間の打球を大遠投。間一髪セーフとなったが、ロン・ガーデンハイアー監督は「守備範囲、肩の強さ、正確さを見せた」と合格点をつけた。

 「日本人内野手はしんどいという意見が多い中、若いうちに挑戦してイメージを覆したい」と挑んだ大リーグ。打球の勢いが落ちない人工芝に慣れた日本選手は「打球を待って捕る」ことに慣れているため、深い天然芝に苦しむ。滑りやすいとされるMLB公式球の対応も含めて、これまで遊撃手での成功例はない。西岡も「前への一歩目が難しい」と試行錯誤を続ける。遊撃で出場を続けることは日本人野手の概念を覆す戦いでもある。

 西岡の復帰に備え、ツ軍は本拠地ターゲット・フィールドの芝を通常の2インチ(約5・1センチ)から1・8インチ(約4・6センチ)と5ミリほど短くした。打球の勢いは失われず、西岡の前への不安は軽減される。逆に左右への打球に対して、持ち前の俊敏性を生かせる。グラウンドキーパーは「二遊間の持ち味を発揮するため。若くて動ける野手だから」と説明した。

 ロッテ時代と同じ英国バンド「THE PRODIGY」の「SPITFIRE」をテーマ曲に、8回第4打席で二塁内野安打。全力疾走で手にした復帰初安打だった。

 「これから100試合近く残っている。この日の気持ちを忘れずにやっていきたい」。リハビリ中は回復が進まず「心が折れそう」と弱音を吐いたこともあったが、背番号1の目はいま、野球少年のように輝いている。

 ≪大リーグ先発3番は日本人9人目≫西岡はロッテ時代、通算37試合に3番で先発出場。1番の649試合に次いで多く、通算成績は打率・236、4本塁打、12打点。最後に3番に座ったのは09年5月12日ソフトバンク戦で、昨季は全144試合で1番だった。なお、大リーグで先発3番を経験した日本人打者は西岡で9人目となる。

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2011年6月18日のニュース