ダル攻略の虎打線…攻めの真弓作戦が当たった!

[ 2011年6月16日 16:22 ]

<神・日>7回2死一、二塁、マートンの右前打で柴田が生還し、ベンチで大喜びの(左から)藤川俊、片岡打撃コーチ、真弓監督

交流戦 阪神2―1日本ハム

(6月15日 甲子園)
 阪神・新井は異様な空気を全身で感じていた。3回、無敵の行進が止まった瞬間だ。「(球場の)雰囲気が違ったのは分かりました」。2死三塁、1―1からの3球目、151キロの速球が大きく高めに外れる暴投となって三塁走者のマートンが先制の本塁へ戻ってきた。

 ダルビッシュにとって47イニングぶりの失点をつけた後、7回には51イニングぶりの自責点もつけた。黒星までつけた。難攻不落の城を猛虎が落とした。

 初回、打席に立った5人全員が第1ストライクを打って出た。「ああいうボールなんで追い込まれたら打てないから」。ダルビッシュに対して真弓監督は好球必打で打線全体を意思統一していたことを強調した。

 単なる積極打法ではない。それなら前回1日の札幌ドームでの対戦でも「積極的に…」という指示を出し、完封を喫していた。どう変えたのか。和田打撃コーチが監督発言に説明を加えた。

 「全員が1球たりともストライクを逃さないように」。球種やコースを問わない。ストライクゾーンにきたすべての球を打つ―。強い指令で各打者の背中を押した。

 3回までの5安打で早々に前回4安打を上回った。4イニングぶりに走者を出した7回は俊介、柴田を次々に代走に送り、その柴田が決勝の本塁生還。「普通につないでつないでだけでは、ヒットは続いていかない」。攻めの采配に真弓監督は胸を張った。

 計9安打は今季のダルビッシュにとっての最多被安打だ。「もちろん、誰もが認める日本のエース。どんな形であれ点を取った。会心のゲームじゃないですか」。打線の中心として2安打した4番の新井も胸を張った。

 サヨナラ勝利の翌日、ダルビッシュ攻略という最上級の難問を解決して白星をつなげた。「きのうからずっと興奮しています。攻撃に集中力が高まっていて、やっと勢いを感じます。きょう(15日)勝ってもっと弾みがつくと思います」。逆襲の手応えを真弓監督は感じ取っていた。 

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2011年6月16日のニュース