内川プロ初の「優勝」!2年ぶりV呼んだ猛打賞

[ 2011年6月16日 06:00 ]

<中・ソ>6回表無死一塁、内川は左前打を放ち猛打賞

交流戦 ソフトバンク5-3中日

(6月15日 ナゴヤD)
 プロ野球交流戦は15日、ソフトバンクの2年ぶり3度目の優勝が決まった。内川聖一外野手(28)の先制適時打を含む3安打2打点の活躍もあり、中日に5―3で勝って通算成績を17勝2敗2分けとし、3試合を残して勝率1位を確定させた。21試合目での優勝は09年の自軍に並ぶ最速タイとなった。交流戦を3度制したチームは初めてで、パ・リーグ勢による制覇は05年の交流戦導入1年目から7年連続。優勝チームには賞金5000万円が贈られる。

 ソフトバンクの強さが凝縮された勝利。秋山監督は余裕の笑みを浮かべた。

 「選手が一戦一戦集中してやってくれたことがこの結果につながった。自分の持ち場の仕事をやってくれたことが一番」

 好機で一気に畳み掛ける打線。主役は「僕は(走者を)還すことが仕事」という内川だった。初回1死二塁で中前へ先制打を放つと、3回1死二塁では詰まりながらも右前へ落とし、追加点を挙げた。6回にも左前打で今季7度目の猛打賞。慣れ親しんだセの投手を相手に「知っている方が逆にやりづらいこともある」と話していたが、交流戦はここまで79打数25安打、打率・316でチームトップ。「こういう活躍が毎日できるようにしたい」と自らに言い聞かせた。

 秋山監督は今季から新たな試みとしてベンチスコアラーを採用した。「プラスになるのであれば、やった方がいいからね」。交流戦では対戦の少ない投手に効果を発揮した。5月26日の巨人戦(東京ドーム)では8回に東野を攻略、4日の阪神戦(甲子園)は8回まで無失点の能見を9回に捉えた。評論家時代にはセ・リーグの仕事が入ると資料を取り寄せ、1週間かけて分析した指揮官の性格が、チームにも反映されている。

 今年の正月。書き初め代わりの色紙には「勝」の文字を記した。交流戦では圧倒的な強さを見せたが、喜びをかみしめた日は一度もない。8年ぶりの日本一奪回への通過点との共通認識をチーム内で分かち合っているからだ。「パ・リーグが調子がいいし、交流戦は落とさないことが大切になる」。だから選手らも試合後のセレモニーでも大げさに喜ぶことはなかった。

 横浜時代に多くの敗戦を経験している内川は「まだまだやらなきゃいけないことがある。気を緩めずに頑張りたい」と、既に頭をリーグ戦再開後に切り替えていた。

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2011年6月16日のニュース