岡田監督ゲキ効いた 守護神・岸田9回のピンチ乗り切る

[ 2011年6月16日 06:00 ]

<横・オ>岸田にゲキを飛ばし引き分けに持ち込んだ岡田監督

交流戦 オリックス4-4横浜

(6月15日 横浜)
 横浜スタジアムのバックスクリーンに設置された時計の針は午後9時35分をさしていた。9回裏2死から不運な内野安打で一、二塁の大ピンチ。マウンドの岸田のもとに岡田監督が向かった。

 「変な当たりが2本も続いたからな。嫌な感じがあった。三振かヒットしかない。スレッジで勝負しろと言った」

 守護神の背中を押す猛ゲキだった。マウンドに直接行ってアドバイスを送るのは昨年8月22日のロッテ戦(千葉)以来、就任2度目だった。大引も「確かに嫌な雰囲気がありました」と振り返った。選手が感じていた球場全体を包み込んだ重苦しいムードを察し指揮官が動いたのだ。

 「思い切っていけ!」。この言葉で迷いを払しょくした岸田が覚悟を決めて勝負を挑んだ。

 「僕自身も中途半端には行きたくなかった。イメージはアウトコースの真っすぐで空振りを取ろうと思った」

 全球ストレート勝負だった。フルカウントから投じたこん身の8球目。この夜の最速タイとなる149キロに助っ人のバットは空を切った。

 打線も2点を追う中盤に得点を重ねて反撃。1点を追う5回には森山の同点打で再び勝負を振り出しに戻した。

 リリーフ陣も2番手の香月―吉野―鴨志田―古川―平野―岸田が無失点に抑える奮起。先発を含めて今季最多の7投手で執念の引き分けに持ち込んだ。

 「追いついての引き分けやからな。負けんかったということやな」

 試合後には岡田監督も価値あるドローを評価した。勝率5割復帰は失敗。しかし借金は「1」のままだ。交流戦も残り2試合。「1試合、1試合よ」。勢いだけじゃなく、粘りも出てきた。借金完済は時間の問題だ。

 ▼オリックス・フィガロ(3回に交流戦では08年ソフトバンク・大隣以来となる投手の本塁打)あれはまぐれ。それよりも、きょう(来日最短の4回4失点)はボールが高かった。

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2011年6月16日のニュース