イチロー、休養明け2戦連続マルチに指揮官興奮!

[ 2011年6月14日 06:00 ]

<タイガース・マリナーズ>8回、オリボのこの日2本目となる本塁打に笑顔で拍手するマリナーズのイチロー

ア・リーグ マリナーズ7―3タイガース 

(6月12日 デトロイト)
 マリナーズのイチロー外野手(37)が12日(日本時間13日)、タイガース戦で5回の同点適時打を含む2安打。10日の同戦を休養で欠場、連続試合出場が255試合でストップした後は2試合連続の複数安打を記録した。右足を半足分開いたオープンスタンスにして臨んだ今季、ボール球に手を出す悪循環に陥っていたが、タイミングの取り方を修正。チームはイチローの2得点に絡む働きで逆転勝ちし、首位レンジャーズに1・5ゲーム差と再接近した。

 体勢を崩されることなく、緩急に対応した。1点を追う5回2死二塁。イチローは外寄りに甘く入ったスライダーを見逃さず、左翼へライナーで運んだ。同点適時打の後は味方の連打で決勝の生還。試合の流れを変えた一打だった。

 「大きなヒットだ。タイミングとボールの見送り方、スイングの滑らかさ、打球の勢いと、いろんなことが良くなってきている。いい兆しだ」

 エリク・ウェッジ監督は興奮気味に振り返った。不振のイチローを256試合ぶりに先発から外したのは10日。苦渋の決断だっただけに、指揮官の喜びも格別だったのだろう。その後、イチローは9回にも真ん中低めのスライダーを左前に落とした。これで復帰してから2戦連続2安打だ。

 「(ベンチの雰囲気も)いつもと変わらなかった。それが普通じゃないですか。変化がある方がまずいし、(気持ちの強さは)秘めておくものですから」。自らの打撃や働きについて、説明することはない。だが、ぶれない心は不振のイチローを支え続けてきた。

 今季、イチローは右足をさらに半足分だけオープンスタンスとした。投手に正対できる分、ボールの軌道、ストライクゾーンの見極めがしやすい。37歳にして、新たな試みでもある。だが、チェンブリス打撃コーチは「オープンに開くことはボールが見やすくなる。大切なのは、我慢強くストライクだけを打てるかどうか」と語った。イチローの広範囲にまでバットが届く長所が、逆に不振につながっていると指摘した。5月以降はボール球に手を出すことでタイミングも崩れた。試合前の打撃練習でミートゾーンを確認。自分の形でボールを捉えることに腐心してきた。

 チーム66試合目で70安打。11年連続シーズン200安打達成に向けて、まだ年間171安打ペースだ。残り96試合で130安打を記録するには、1試合1・35本ペース。3連戦で4安打以上が求められる計算だ。

 イチローはこの日2本塁打した正捕手オリボについて「キャッチャーが前に出て引っ張っていくというのは理想的ですから。彼はこのチームにとって凄く大事な存在だと思う」と言った。チームにとって大事な存在であるのはイチローも同じ。このまま上昇気流に乗っていきたい。

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2011年6月14日のニュース