松井、3番抜てき!指揮官交代で評価も一変

[ 2011年6月13日 06:00 ]

<ホワイトソックス・アスレチックス>6回、右犠飛を放つ松井

ア・リーグ アスレチックス2―3ホワイトソックス

(6月11日 シカゴ)
 アスレチックスの松井秀喜外野手(36)は11日(日本時間12日)、ヤンキース時代の09年8月以来となる3番で先発出場した。ホワイトソックス戦の6回に右犠飛を放ち、今季初の同一カード3試合連続打点をマーク。就任3試合目のボブ・メルビン監督代行(49)に勝負強さを印象付けた。新指揮官も今後、打線の軸として固定したい3番打者の最有力候補として「マツイ」の名を挙げた。

 1点を追う6回1死三塁。松井は1ボールからの2球目、カットボール気味に外角へ逃げる89マイル(約143キロ)直球を右翼へ運んだ。「逃げていく、結構難しい球。先っぽに当たったけど、あそこまで飛んでくれて良かった」

 ちょっぴり自画自賛した一打は一時同点となる犠飛となった。3試合連続打点は今季2度目だが、同一カードは初。翌12日に迎える37歳誕生日をささやかに前祝いした。

 9回にも四球で出塁。無安打ながらポイントゲッター、チャンスメーカーの役割をともに果たした。ヤンキース時代の09年8月12日ブルージェイズ戦以来2シーズンぶりの3番起用。試合前に就任3試合目のメルビン監督代行は「中軸、3番はレギュラー選手で固定されていないとチームが不安に陥る」とした上で「マツイは3番にふさわしい。ベテランでチームが頼るべき存在。安心して任せられる」とゴジラを筆頭候補として指名。その適性テストともいうべき実戦で結果を残した。

 10年連続打率3割、30本塁打、100打点のカージナルス・プホルスが不動の3番として君臨するなど、メジャーリーグでは3番を重視する監督は多い。試合後に「3番打者のイメージは?」と問われた松井自身も「ベーブ・ルース!やっぱり強打者というイメージだよね」と即答した。

 前カードまでゲレン前監督のもと、レギュラーを完全に剥奪されていたが自らのバットで風向きを変えた。打順について「気にしない。出たら何番でもやるだけ」とこだわりを見せないが、新体制での起用法の変化に「期待されているのは非常に伝わるし、うれしい。応えなくてはいけない」と気を引き締めた。一方で前夜10連敗を脱出したア軍は再び借金10。首位レンジャーズと8ゲーム差で、松井自身の打率も・219。楽観できる状況でないことは理解している。

 「終わったことは仕方ない。また頑張るだけです」。3番という定位置が確保できるのか。水を得たゴジラの反攻に期待がかかる。

 ≪3番は23試合目≫松井がメジャーで最も多く先発出場している打順は5番で511試合。6番(186)、4番(169)、7番(128)、2番(37)に次ぎ、3番はこの日で23試合目の出場となった。3番での通算打率は・240、2本塁打、6打点。最多は07年の18試合で、アブレイユ(現エンゼルス)の不振にともなって5番から昇格。巨人では00年から不動の4番に座る前に、全1268試合出場のうち最も多い719試合に3番で先発。通算打率・297、182本塁打、507打点を挙げている。

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2011年6月13日のニュース