松坂 手術決定日にキャッチボール 名残惜しんだか

[ 2011年6月4日 16:35 ]

アスレチックス戦の前、軽めのキャッチボールをするレッドソックス・松坂

 不思議な光景だった。米大リーグ、レッドソックスの松坂は、右肘を手術することが決まったその日の試合前、グラウンドに出てキャッチボールをした。5月17日の精密検査で靱帯損傷が見つかって以来、ボールは握っていない。チームメートのペドロイアが「何やってんだ、あいつは」と叫んだのも当然だった。

 フランコナ監督が記者会見し、正式に手術が発表されたのは試合終了後。その時点で松坂は球場を去っており、心中は分からない。だが、野球人生で初めて1年以上もマウンドを離れるわけで、名残を惜しんだとしても不思議はない。

 以前「(一生休むことなく泳ぎ続ける)マグロみたいなもの。僕は投げていないと駄目なんです」と、投げ込みをしないと気が済まない自分を表現していたほど。リハビリの道のりは、肉体的にだけでなく、精神的にも苦しいものになるだろう。

 それでも、不安や引っ掛かりを感じながらメジャーで戦い続けるのは無理がある。松坂自身「だましだまし投げてできるほど、ここ(大リーグ)は甘くない」と話していた。不安はあるだろうが、先々を見据えての決断。一見奇妙なキャッチボールは、地道なリハビリへ向けた自分なりのけじめだったのだろう。(共同)

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2011年6月4日のニュース