マー君通算50勝目 仙台球宴も任せて

[ 2011年6月2日 06:00 ]

<楽天・広島>通算50勝目を挙げた田中はお立ち台で「5」のポーズ

交流戦 楽天3―0広島

(6月1日 Kスタ宮城)
 夢の舞台へ大きく前進する投球だった。田中が本調子ではない中で、7回6安打無失点で今季4勝目を挙げた。防御率はリーグ3位の1・49とし、奪三振も70個でリーグ2位に躍り出た。

 「一度決まっていたことが変更になるのは異例のことだと思う。いろいろな人の協力や支えがあって実現したはず。被災者の方のために何かできればと思っているので、ぜひ出場したい」

 試合前、7月24日の球宴3戦目を本拠・Kスタ宮城で行うことが正式決定した。東日本大震災が起こり、東京ドームで予定されていた試合が変更された。「数字が伴わないと、球宴に選ばれないわけですから」。被災球団の選手として、田中は期待を感じながらマウンドに上がった。2試合連続の中5日、雨が降りしきる悪条件でも仕事を果たした。3回に2死満塁のピンチを招いたが、井生を外角低めのスライダーで遊ゴロ。6、7回にも走者を背負ったが得点は許さなかった。

 球宴への思いは強い。プロ1年目から出場し「毎年出ていても特別な舞台なので本当に楽しみ」と語っていたが、連続出場は昨季途切れた。監督推薦が発表される前日の7月4日、練習中に右大腿二頭筋挫傷で登録抹消。その時点で8勝を挙げており選出は確実だったが、テレビ観戦することになった。自身4度目の出場を目指す球宴は、昨年の悔しさと被災者の思いを背負う舞台となる。

 この日の白星で通算50勝。高卒5年目での到達は、日本ハム・ダルビッシュや西武・涌井と同じペースだが、田中にとっては通過点にすぎない。「去年達成しておかないといけなかった。あまり節目とは考えていませんよ」。マウンドで見せる能力の高さを考えれば、満足するのは早すぎる。

 ▼楽天・星野監督(田中について)きょうは良くなかった。ごまかして投げていた。結果は良かったけどな。

 ≪高卒5年目で到達は10人目≫ドラフト制以降、高校出5年目までに50勝は09年のダルビッシュ(日)、涌井(西)がともに5年で到達して以来10人目だ。

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2011年6月2日のニュース