首位に0・5差 イチロー自己ワースト月間打率も絶口調

[ 2011年6月2日 06:00 ]

<マリナーズ・オリオールズ>8回、一ゴロを放ち失策を誘う全力疾走を見せるイチロー

ア・リーグ マリナーズ3―2オリオールズ

(5月31日 シアトル)
 マリナーズのイチロー外野手(37)が31日(日本時間6月1日)、オリオールズ戦で0―2の8回2死走者なしから敵失で出塁。この一打が逆転劇へのプロローグとなり、この回に3点を奪った。イチローの月間打率はメジャー11年目で自己ワーストとなる・210だったが、チームは15勝11敗で5月を勝ち越し。今季28勝のうち14勝が逆転勝利と驚異の粘りで、ア・リーグ西地区首位のレンジャーズに0・5ゲーム差と再接近した。
【試合結果】

 3打数無安打。それでも、試合後のイチローは冗舌だった。

 「いいじゃない。僕が普通になれば、僕が(チームを)引っ張ることになるわけだから。(自分が復調すれば)もうちょっといいチームになれる。というか、勝てるチームだね」

 今季は4月を打率・328で滑り出しながら、5月は自己ワーストとなる月間打率・210。それでも、チームは15勝11敗。孤軍奮闘だった昨今のシーズンとは逆の形だ。

 この日も「お家芸」の逆転劇をみせた。起点となったのはイチローだ。2点を追う8回も2死無走者。ここでイチローが放った一、二塁間へのゴロは一塁手に好捕された。しかし、ベースカバーに入った先発投手のガスリーが、イチローの全力疾走する姿に焦り、一塁手からの送球を取り損ねた。このプレーで試合の流れは一変。続く2番ライアンが右前打でつなぎ、3番スモークが右翼席に逆転アーチ。絵に描いたような展開に、二塁ベース上のイチローも思わず絶叫していた。

 「ああいう結果をイメージするし、そうなってほしいと思うけど、なかなかそんなことは起こらない。よう打ったよね」

 これで最近4勝は全て1点差勝ち。そればかりか、今季28勝のうち14勝が逆転勝利。この日の観衆は1万1692人。セーフコ・フィールドの99年開場以来、史上最少となったが、その戦いぶりは熱い。エリク・ウェッジ監督は「きょうはイチのハッスル(プレー)が効いた」と称えた。

 もちろん、チームが好調だからといって、満足するイチローではない。「もうお察しの通りだと思いますけど。(ネガティブ思考も)生まれることもある」。ボール球に手を出し、凡打を繰り返した5月。ただ、自身が敵失で出塁してからの大逆転劇。ツキを持って、月替わりとなる6月に入る。

 ≪5月の打率・210≫イチローのこれまでの月間最低打率だった06年8月の・233を下回った。さらに安打数22本も、胃潰瘍で8試合の欠場があった09年4月の19安打をのぞけば、過去最低だ。5月は昨季まで通算・363と月別で最も高打率を残していた。チーム54試合で61安打はシーズン(162試合)換算で183安打ペース。11年連続200安打へは、6月以降のペースアップが不可欠となる。

続きを表示

2011年6月2日のニュース