松井稼「ワッショイ」千金弾!1発で勝った

[ 2011年6月1日 06:00 ]

<楽・広>6回、楽天の松井稼が右中間にソロ本塁打を放ち、ベンチに迎えられる

交流戦 楽天1-0広島

(5月31日 Kスタ宮城)
 楽天ベンチの重苦しい雰囲気がお祭り騒ぎに一変した。ダイヤモンドを一周した松井稼が「ワッショイ!ワッショイ!」と声を上げ、二の腕を鍛える「アームカール」の動きで三塁ベンチに戻った。ここ最近、本塁打を放った選手が見せるパフォーマンス。草野が同じ動きで迎え入れ、ベンチが最高潮の盛り上がりを見せた。

 ひと振りで均衡を破った。6回に先頭で打席に入ると、真ん中に入った初球の直球を見逃さなかった。5月1日オリックス戦(Kスタ宮城)以来となる3号ソロ。ミスショットすることなく右翼へ運び「まぐれかもしれないし、捉えたかもしれないね。なかなか本塁打は打てないですから」と控えめに振り返った。

 チーム同様に自身の打撃も本調子ではないが、ここまで全38試合で先発出場している。左打席では軸足の左足が思い通りの動きができず、毎日調整を繰り返している。今年10月に36歳を迎えるベテランだが「自分の中でチェックポイントや課題がある。打てていないから練習しないと、でしょ」と休日返上や居残り特打で修正している。

 勝利を手にしたが、得点力不足が解消されたわけではない。得点は松井稼の一発だけに終わった。チーム得点88は両リーグ最少。星野監督はこの日から、打撃不振の鉄平や出場機会の少ない井野ら計6選手に親子ゲームの出場を命じた。新人の阿部と大広は、昼にイースタン・リーグの日本ハム戦(利府)に先発してナイターにもスタメン出場。しかし、ともに3打数無安打と打線の活性化にはつながらなかった。

 試合後の星野監督は「1点差ゲームに私も慣れてきました」と自嘲気味に語った。貴重な勝利も一服、とはいかない。大量得点で快勝するまで安心できない日々は続く。

 ≪松井稼 日本での決勝弾は初≫松井稼(楽)が6回に決勝の3号ソロ。日本での通算本塁打は153本目になるが、1―0決勝弾は初めて。大リーグではメッツ時代の04年5月12日ダイヤモンドバックス戦でランディ・ジョンソンから初回先頭打者の1―0決勝アーチを放っており日米通算2本目だ。楽天は5月11日の日本ハム戦でも鉄平が1―0決勝弾。チーム月間2度の1―0完封勝利は06年9月22日西武戦、27日オリックス戦に次いで2度目だが、いずれも本塁打で決勝点を挙げたのは球団史上初めて。

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2011年6月1日のニュース