イチロー6戦ぶりマルチ!指揮官「これが見たかった」

[ 2011年6月1日 06:00 ]

<マリナーズ・オリオールズ>オリオールズ戦の3回、投手強襲安打を放つマリナーズのイチロー

ア・リーグ マリナーズ4-3オリオールズ

(5月30日 シアトル)
 マリナーズのイチロー外野手(37)が30日(日本時間31日)、オリオールズ戦で6試合ぶりのマルチ安打となる4打数2安打。1盗塁、2得点と本来のリードオフマンぶりを発揮して、チームの勝利に大きく貢献した。5月は同日に8番に降格されたショーン・フィギンズ内野手(33)とともに1、2番コンビが機能しなかったが、イチローにとってはこの2安打を復調のきっかけにしなければならない。

 久々にイチローらしさが発揮された。デーゲーム後の恒例となっているマッサージをトレーナー室で受けていたため、試合後にコメントすることがなかった本人に代わって、エリク・ウェッジ監督が口を開いた。

 「明らかにイチローの2安打と2得点は大きかった。あれがわれわれの知っているイチローだ。これが見たかったんだ」

 初回、内角低め速球を鋭く振り抜き、右前へ運んだ。3試合12打席ぶりの安打をマークすると、即座に二盗に成功。送球エラーの間に三塁を陥れ、2番ライアンの内野ゴロで先制のホームを踏んだ。3回も先頭打者で、初球を叩いてワンバウンドで投手直撃の内野安打。1死満塁から押し出し四球で3点目の生還を果たした。当てただけのような打撃で凡打を繰り返してきたが、この日は下半身の力がしっかりと打球に伝わっていた。

 地元シアトル・タイムズ紙は30日付で「イチローはもっと精力的にリーダーシップを示せ」と題した記事を掲載した。打てなくても、気持ちを前面に出したプレーで引っ張ることが求められるとの内容だった。だが、勝利と自身のプレーの両立を目指すのがイチロー。「自分が打てなくてもチームが勝てばいいという考えはない」が持論。だからこそ、この日の2安打を上昇のきっかけとしなければならない。

 チームはここまで不動の2番に据えていた打率1割台のフィギンズを8番に降格させた。ウェッジ監督は「お互いがカバーし合わなければならない」と話した。機能しているとは言い難い1、2番コンビ。指揮官は苦心の打順組み替えでイチローの復活を待っている。

 5月は1試合残すが、打率、安打数、出塁率とも5月の自己ワーストとなる。貯金1で踏ん張るチームのためにも、イチローの完全復活が待たれる。

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2011年6月1日のニュース