東京国際大初V!古葉監督「何十年ぶりか」宙に舞う

[ 2011年6月1日 06:00 ]

<杏林大・東京国際大>胴上げされる東京国際大・古葉監督

東京新大学リーグ 東京国際大11―2杏林大

(5月31日 さいたま市川通公園)
 東京新大学リーグの東京国際大が31日、創部47年目で悲願の初優勝を飾った。広島を3度日本一に導いた名将・古葉竹識監督(75)にとって、就任4年目で悲願のリーグ制覇。出場が決まった全日本大学野球選手権(7日開幕、神宮ほか)で日本一を目指す。
【全日本大学選手権組み合わせ】

 古葉監督の胴上げが行われたのは、球場脇の空き地だった。それでも孫のようなナインの手で3度、宙を舞った75歳の名将は「何十年ぶりかなあ胴上げは。うれしいなあ」と目尻を下げた。

 「厳しいことも言ってきたけど、よく頑張ってくれた。4年は長かったとは思っていない」。08年2月就任から4年目でたどり着いたリーグ制覇に感慨深げだった。

 初回1死一塁からバスターエンドラン。2回は1死一塁で一転、バントで好機を演出した。細かくて多彩な戦法、状況を見極める力は赤ヘル黄金期を率いていたときと同じだ。3回の守備から起用した今井が1死から左邪飛をダイビングキャッチし、5回はダメ押しの左前打。広島監督時代に代走のスペシャリストとして起用していた今井譲二氏の次男が、親子で名将を支えた。3回途中から今季初登板した鈴木健が4回1/3を1安打無失点に抑えるなど、采配はズバッと決まった。

 プロと大学で監督を務めたのは過去、森茂雄(早大、阪神など)、砂押邦信(立大、国鉄、サンケイ)らがいるが、どちらも優勝したのは古葉監督が初めての快挙。日本一を目指す大舞台では、同じくプロ出身で親交が深い江藤省三監督率いる慶大と、互いに勝ち上がれば準決勝で対戦する。

 「ようやく神宮にたどり着いた。また頑張りますけん」。ここからが新たなスタート。名将が大学野球の歴史でも足跡を残す。

 ◆古葉 竹識(こば・たけし、本名・毅)1936年(昭11)4月22日、熊本県生まれの75歳。済々黌(せいせいこう)―専大―日鉄二瀬を経て58年に広島入団。70年から2年間、南海でプレー後に現役引退。72~73年は南海、74年は広島でコーチを務め、75年シーズン途中から広島監督に就任し、球団史上初のリーグ優勝を達成。79年から日本シリーズを連覇するなど3度日本一に輝いた。87~89年は大洋(現横浜)監督。99年野球殿堂入り。

 ▼倉田信靖理事長・総長(古葉監督を招へい)日本一の環境に日本一の監督と、ハードとソフトがかみ合った。私にとって4年は短い。終身監督は変わらない約束です。

 ▼古葉隆明助監督(古葉監督の三男)ここで満足してはいけない。これは通過点。まだまだ上を目指さないと。

 ▼山田亮太主将 やっと神宮の舞台に立てる。うれしい。エンドラン、バントがきっちりできるようになり、監督のやりたい野球に少し近づいた。

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2011年6月1日のニュース