新井弾で猛虎打線点火!18打席ぶりの快音

[ 2011年5月25日 06:00 ]

<神・西>4回、左中間ソロの阪神・新井はトラッキーとハイタッチ

交流戦 阪神5-3西武

(5月24日 甲子園)
 4番が打てばチームは勝つ。0―2の4回、阪神・新井の大きな体が久々に誇らしげに膨らみ、ダイヤモンドを一周した。1ボールから西口の130キロスライダーを左中間席へ。今季5号ソロは、実に5試合18打席ぶりの快音だった。

 まだ1点を追いかけなければならない。しかし主砲の一発が眠っていた猛虎打線を目覚めさせた。続く金本は四球、城島が右前打。そしてブラゼルは適時二塁打で同点。打率2割前後の3人の打者がつながりを見せたのは偶然ではない。

 さらに上本の犠飛と平野の適時打で一挙4得点だ。「4番がホームラン。そこから火がついた。やっぱり軸がああやって打ってくれれば点が入る」。真弓監督が逆転劇の主役に新井を挙げた。

 初回は1死一、三塁で二ゴロ併殺打。同じスライダーにやられていた。「全部が四隅に来ていたので“西口さんの勝ちなんだ”と次の打席までに気持ちを切り替えられたのがよかった」

 18日のオリックス戦から4試合に4タコ。自身の沈黙とともにその間はチームも4連敗していた。特に22日の西武戦では1―1の9回1死満塁で力のない二ゴロ。サヨナラ機を逸して、逆に11回に勝ち越されていた。4番打者の不振はチームの勝敗に直結する。

 「自分もそういうつもりでやっている」

 悲壮な決意で挑んだこの日、2つの変化があった。まず両手にはめていた皮手グローブを、右手だけを外した。「関本のアドバイス。たまにやるんですけどね」。まだレギュラーを目指していた広島時代のスタイル。原点に戻り、バットを握る感覚を微調整した。

 もう一つがバットを起こして構えるようにした。降雨中止となった前日23日、室内での打撃練習で横に寝ていたことに気がついた。それらが原因かどうかはわからない。しかし、変身を求めて結果につなげた。

 「ホームランはいいスイングで打てたと思いますね」。打てば勝つ。打てなければ負ける。新井はそれだけ大きな存在の4番打者になった。

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2011年5月25日のニュース