ハム一丸15安打!梨田監督 中田「4番」も示唆

[ 2011年5月25日 06:00 ]

<横・日>ベンチ前で出迎える日本ハム・中田(左)と勢いよくタッチする陽

交流戦 日本ハム7-3横浜

(5月24日 横浜)
 日本ハムが24日、15安打7得点で横浜を圧倒した。1安打1打点の中田翔外野手(22)ら打線が一致団結。小谷野栄一内野手(30)が走塁中に左太腿を痛め、初回で退場する危機を抜け出した。チームは連敗ストップ。梨田昌孝監督(57)は、小谷野不在の4番に中田を示唆するなど、背番号6の存在感は増してきた。
【試合結果】

 いきなり4番が離脱する緊急事態で機能したのが「つなぎの攻撃」だった。初回、小谷野が左太腿裏を痛め退場するアクシデントに見舞われたが、打線は15安打中14本が単打という打撃で小刻みに得点を重ねていった。

 中田もまたその中核として機能した。2回無死一塁では中前打でチャンスを広げ、大野の中前先制打をお膳立て。1―0の3回1死満塁では左腕・山本の139キロ直球に詰まりながらも自慢の怪力で打球を左翼まで運んだ。「ホームランや打率のことは全く考えていない。変なことを考えず思い切ってバットをボールにぶつけることが結果につながった」。これが犠飛となり、今季27打点目。リーグトップのロッテ・井口を1打点差の2位で追走する。

 長距離砲の宿命か、ド派手な一発ばかり注目されるが、チーム打撃を確実にこなせるようになったことが中田の進化を証明する。「チームの勝利につながるし、やっぱり打点が一番うれしい」。打球を遠くに飛ばすことばかり考えていた以前の姿はない。その姿を首脳陣も評価する。25日の中日戦(ナゴヤドーム)での小谷野のスタメン出場は絶望的。中田が公式戦で初めて4番を任される可能性は高い。

 代役4番について、梨田監督は「それはそれで考えるしかない。(中田の可能性も)間違ってないと思う」と肯定的だった。

 こんなピンチに備え、指揮官は英才教育を施してきた。やはり小谷野を右手骨折で欠いた3月のオープン戦と練習試合では、12試合で中田に4番を任せた。3本塁打をマークしながらも46打数9安打、打率・196。結果を残せなかったが、この経験が現在も2割台後半を維持する打率にも表れた。「(打順は)自分に関係ない。今までやってきたことをやるだけ」。成長著しい22歳。最後まで表情を緩めない姿が頼もしく映った。

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