規格外パワー!中田「こすって」ビックリ天井打

[ 2011年5月21日 06:00 ]

<日・巨>4回、中田は高々と上がった打球の行方を追う

交流戦 日本ハム3-1巨人

(5月20日 札幌D)
 日本ハムの怪物中田の本領発揮だ。スタンドをどよめかせる規格外のパワーを見せつけたのは4回だった。先頭打者として、東野の真ん中付近の直球を思い切りしばいた打球は一気に吹き上がっていった。

 「こすったけどボールを捉えていたから、あそこまで上がったんでしょう」

 高さ63メートルを誇る札幌ドーム天井の50メートル付近に当たった打球は、左翼手の定位置の少し手前に落ちてきた。遊飛のつもりで打球を追っていた坂本は、天井にはね返って角度が変わった打球に慌ててグラブを差し出したが捕り損ねた。中田は悠々二塁に到達していた。

 「アウトにならなかったからラッキー。でも屋根がなかったらどうですかね」と謙虚に振り返った中田だが、札幌ドームではカブレラ(ソフトバンク)が西武在籍時代の01年7月15日に天井直撃の本塁打。04年9月3日にも2打席連続で天井直撃の飛球を放っているが、球場関係者によれば「日本人では初めて」という驚がくの一打だ。人並み外れたヘッドスピードを誇り、打球に強烈なスピンがかかる中田だからこその当たり。梨田監督も「久しぶりやね。カブレラ以来見たことがない。パワーがついてスイングが速くなった」と成長ぶりを認めた。

 17日は北大病院の院内学級を田中らと訪問。17病棟を周り、病気と闘う子供たちを励ました。3月にもカーリングで冬季五輪に2度出場した本橋麻里(24)と大震災の募金活動に参加。社会福祉に積極的に貢献する兄貴分・ダルビッシュの姿を見つめながら、中田も一流のアスリートへ確実に歩み始めている。

 巨人相手のプロ初安打が本拠地の「歴史」に残る天井直撃打でチームも快勝。まだまだ中田はわれわれを驚かせてくれる。

 ▼日本ハム・ケッペル(8回無失点で4勝目。交流戦初登板から2年越し5連勝は外国人投手ではタイ記録)妻(スザンヌ夫人)は(第3子出産で)帰国するけど、チャンピオンシップフラッグを見せたい。

 ◆札幌ドーム特別ルール 打球がフェア地域、ファウル地域の区分なく、プレーイングフィールド上の天井に当たった場合、または天井板の隙間に入りすぐに落ちてきた場合はボールインプレーで、地上に落ちる前に野手が捕球すれば打者アウトとなる。

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