負傷鳥谷の代役・上本“黒子”じゃなく“黒虎”級活躍見せる

[ 2011年5月20日 06:00 ]

交流戦のホームで着用するユニホームを披露する(左から)榎田、柴田、上本、俊介。今年はストッキングの縞が黄色に変更

 阪神・上本博紀内野手(24)が「黒虎」の前に大仕事を決める。19日は今季交流戦のホームゲームで着用する「大阪タイガース」時代の黒い復刻版ユニホームを榎田、俊介、柴田とともにお披露目。売り出し中の若武者はチームの伝統に「責任を感じてやっていきたい」と話し、負傷の鳥谷に代わって引き続き遊撃を守る20日からのソフトバンク2連戦(ヤフードーム)に闘志を高めた。

 あの快音が鮮明に甦ったのかもしれない。今、チームで最もノってる男・上本が黒虎との“再会”を誰よりも喜んだ。

 「初ヒットを思い出しますね」

 しみじみ振り返ったのは昨年、8月25日の広島戦(京セラドーム)だ。プロ2年目で1軍初昇格を果たしていた上本は8回に梅津から左前へプロ初安打を記録。プロ初打点のおまけも付いた思い出の一打を放った際に身にまとっていたのが昨年8月のセ・リーグ合同イベントで、1948、49年の「大阪タイガース」の復刻版ユニホームとして使用された黒虎ユニホームだった。

 上本だけでなく、チームにとっても“黒虎パワー”は計り知れない。昨年は横浜、長野、京セラドームの3球場で使用。6試合で計60得点を奪うなど往年の「ダイナマイト打線」をほうふつとさせる猛打で他球団を圧倒した。選手からの評判も良かったことから今季は交流戦期間中の甲子園で着用することが決定。ストッキングが黄色と紺色のストライプになるなど、より当時のデザインにも近づいた。

 「責任を持ってやっていきたい」。初披露となる22日からの西武戦へ向けて上本は短い言葉で決意を語った。15日の中日戦(甲子園)で鳥谷が右手を負傷して以来、代役の遊撃手としてその潜在能力が開花。12打数6安打2盗塁とその勢いはとどまるところを知らない。

 20日から対戦するパ・リーグ首位のソフトバンク戦でもスタメン出場が決定的な背番号4はこの日は甲子園での指名練習に参加。守備練習に時間を割くなど、精力的に汗を流した。「自分は準備するだけなんで一生懸命やりたい」。昨年より一回り大きくなった姿で着る伝説のユニホーム。ラッキーアイテムとラッキーボーイの合体がチームに新たな推進力を生むことは間違いない。

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2011年5月20日のニュース