涌井“省エネ完投”で交流戦最多タイ18勝!

[ 2011年5月18日 06:00 ]

完投勝利の涌井(左)はお立ち台で3安打3打点の中村と笑顔で握手

交流戦 西武4-1横浜

(5月17日 県営大宮)
 西武・涌井秀章投手(24)が「1球勝負」で、交流戦最多タイとなる通算18勝目をマークした。右肘痛のため6日に出場選手登録を外れていた同投手は、復帰戦となった17日の横浜戦で今季初の無四球完投勝利。これまで球数の多さを指摘されてきたエースが、115球での今季2勝目。データが少ない上に、好投手が多いパ・リーグの投手相手には好球必打で対応してくるセの打者の特徴を利用しての省エネ投球だった。

 1点リードの7回無死一塁。涌井は4番・村田に対し、初球に投じた外角低めのスライダーで投ゴロ併殺に仕留めた。打ち気にはやる主砲の心理を見透かしたような投球。この場面を含め、1球でアウトに抑えたケースが5度もあった。

 「セの打者は、いつも早打ちしてくる。1球で打ち取れた場面もあったし、1球勝負のつもりで投げていたので自然と少なくなりました」

 9イニング換算の球数は昨季が151・6球、今季もここまで143・5球。9回115球はボール球を使うのが持ち味の涌井にとって少ない。最近3年間で公式戦で投じた球数の総計は実に9744球。勤続疲労からくる右肘痛での離脱を余儀なくされていた右腕には、省エネ投球が必要だったのだ。

 もう一つ工夫したのがスライダーの変化。握りを普段より浅くし、左打者の内角に鋭く食い込ませて凡打の山を築いた。「セの打者は内角をさばくのがうまいから。普段見ていない投手相手だし、戸惑うんじゃないですかね」。渡辺監督も「余計な球がなくて、球数が少なかった。思っていた以上の投球」と評した。最速149キロを計測したのは終盤の8回。球数が少なかったから、最後まで余力十分だった。

 ≪ソフトバンク和田に並んだ!≫涌井(西)が5安打1失点で完投勝利。交流戦通算18勝(10敗)となり、この日先発し勝敗のつかなかった和田(ソ)と最多で並んだ。交流戦の通算15~18勝はいずれも和田が一番乗りしたが、そのたびに涌井が追いついている。18勝の内訳は神5、ヤ5、横4、広3、中1。また涌井は交流戦で9完投、7完投勝利。杉内(ソ)とダルビッシュ(日)の8完投、杉内の6完投勝利を上回り、ともに単独最多とした。

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