杉内15Kでようやく1勝!何度も吠えた

[ 2011年5月15日 06:00 ]

<ソ・西>今季初勝利を挙げた杉内はファンの声援に手を振って応える

パ・リーグ ソフトバンク3-0西武

(5月14日 ヤフーD)
 ようやく勝った。重圧から解き放たれたソフトバンクの杉内は、両手で力いっぱいのガッツポーズをつくると吠えた。何度も吠えた。

 「みんなが勝っていく中でもどかしさがあった。1勝はうれしいです」。今季5試合目。好投しながら白星から見放されていたエースの投球は圧巻だった。序盤から飛ばした。直球とチェンジアップのコンビネーションで5回まで6者連続を含む11奪三振で無安打に抑えた。完封目前の9回1死一、二塁で4番・中村。直球を5球続けて追い込むと、最後は124キロチェンジアップで空振り三振。終わってみれば相手主砲を全4打席空振り三振に仕留めて打線を分断した。

 今季から導入された統一球は従来の球と比べて滑りやすいとされる。乾燥肌の杉内にとっては難敵でスライダー、チェンジアップに手応えをつかんだのはいずれもキャンプ最終日だった。「今年はばたばただった」。急仕上げのぶん、開幕当初は精度を欠いていたがここにきて、ようやく自在に操れるようになった。

 前夜、プロ初勝利を挙げた岩崎の気迫に心を打たれた。「勝つという気持ちは先輩、後輩関係なく勉強になった」。昨季16勝左腕がこの日は帽子、スパイクを新調。普段験担ぎをしない男が、わらにもすがるような思いでつかんだ1勝だった。

 この日は「女子高生デー」でスタンドはピンク色に染まっていた。「黄色い声援が力になった」とおどけた杉内。まだ登板機会は20試合以上ある。エースはここから巻き返す。

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2011年5月15日のニュース