沢村2球に泣く プロ初安打初打点も2勝目スルリ

[ 2011年5月12日 06:00 ]

<巨・横>6回2死一塁、ハーパーに逆転本塁打を打たれ、ぼう然とする沢村

セ・リーグ 巨人3―4横浜

(5月11日 東京D)
 最大の武器も、使い方を間違えれば自らが傷つくことになる。巨人の沢村拓一投手(23)は、1点リードの6回2死無走者から村田、ハーパーに自慢の直球を打ち込まれて逆転を許した。自らプロ初安打初打点も記録して白星目前だった黄金ルーキーは、痛恨の制球ミスと慎重さを欠いた配球で2勝目を逃した。

 たった2球。だがその2球が命取りになった。逆転した直後の6回2死。沢村は村田を直球2球で2ストライクと簡単に追い込んだ。3球目。捕手の加藤は外角高めに外す直球を要求したが、投じられたのはベルト付近の真ん中146キロだった。

 前の打席では6球中5球を直球で空振り三振を奪っていた。この打席で3球続けられた直球を村田はいとも簡単に右前にはじき返した。完全なる制球ミスを加藤は「僕がもっと(手で外に外すしぐさで)こうしていれば…。僕が悪いです」とかばったが、この一打で流れが変わった。

 続くハーパー。4月8日の横浜との練習試合(横浜)は2打席、計8球中6球が直球と力でねじ伏せていた。この試合も1、2打席とも直球で打ち取った。だがハーパーは本来、直球にめっぽう強い。打ち取られたことで、より直球に対する意識は高くなっていた。村田と同じだ。一発だけは避けなければいけない場面。初球はスライダー、フォークの選択肢もあった。直球を選んだ加藤は内角のボールゾーンに構えたが、被弾したのは内角のストライクゾーン。完璧に捉えられた。

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