14日に第1子誕生予定…永井“前祝い”完封

[ 2011年5月12日 06:00 ]

<楽・日>スタンドに手を振る完封勝利の永井(右)と決勝弾の鉄平

パ・リーグ 楽天1―0日本ハム

(5月11日 Kスタ宮城)
 もうすぐ生まれてくる娘へ。そして、東北のファンのために、楽天・永井は1点を守り抜いた。

 「やりました!今季Kスタ初登板だったので、かみしめながら投げました。地震から2カ月。まだまだ苦しい時に、これだけのお客さんが集まってくれて幸せです」

 今季初の本拠地のマウンドでチームの連敗を4で止めた右腕は、お立ち台でガッツポーズ。1万1515人の観客と喜びを分かち合った。

 打線の援護がない中、我慢強く球を低めに集めた。首位の日本ハム相手に5回1死から中田に左前打を許すまで無安打投球。その中田を7回1死一塁では併殺に仕留めるなど、三塁を踏ませなかった。昨年9月14日(札幌ドーム)以来の完封勝利。星野監督は「永井がよく投げたという思いしかない。連敗を止めるのは大量得点か、完封しかないと思っていた」と賛辞を惜しまなかった。

 東日本大震災から、ちょうど2カ月がたった。地震の影響で永井の生活は大きく変化した。14日に第1子の女の子を出産予定の真美夫人(26)は当初仙台で出産予定だったが、産婦人科を変更。神戸市内にマンスリーマンションを借りて、出産の準備を進めており、永井は仙台で一人暮らしが続く。日に日に大きくなる夫人のおなかを直接見ることはできないが「エコー写真を写メで送ってもらっています。名前もいくつか考えています」と心待ちにしている。

 チームが京都に滞在した4月27日には清水寺を訪れて2つの願い事をした。1つは安産祈願。そしてもう1つは東北の復興だった。「僕らにできることをやって、長期的に支援していかないといけない。いつも応援で力をもらっているので、今度は僕らが力にならないと」。雨天中止でローテーションが組み直され、ようやく立った本拠地で最高の仕事を果たした。

 「あす先発する新人の塩見に重圧のかかる試合で投げさせられないですから」。永井の力投は、5月ようやく2勝目を挙げたチームに浮上のきっかけをつくった

 ▼楽天・佐藤投手コーチ(永井に)真っすぐが良かったね。完璧。何も言うことがない。

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