今年は違うマリナーズ!イチロー打点で勝率7割

[ 2011年5月7日 06:00 ]

レンジャーズ戦の7回、左前に適時打を放つマリナーズのイチロー

ア・リーグ マリナーズ3-1レンジャーズ

(5月5日 シアトル)
 マリナーズのイチロー外野手(37)が5日(日本時間6日)のレンジャーズ戦で、今季15度目のマルチ安打。7回2死二塁で相手が敬遠せずに勝負に来たところで左前適時打を放ち、勝利に貢献した。チームは借金2だが、イチローが打点を挙げた試合は7勝3敗。レッドソックス、昨季リーグ王者のレンジャーズに2カード連続で勝ち越したマ軍の浮上は、やはりリードオフマンのバットにかかっている。
【試合結果】

 笑顔のハイタッチが見慣れた光景になりつつある。7回2死二塁から3点目となる左前打を放ったイチローの言葉にも力があった。最近10試合で7勝。地区最下位とはいえ、大混戦のア・リーグ西地区で首位エンゼルスに3ゲーム差だ。

 「去年までと比べると、なかった形がたくさん見えている。結果を出すことで自信をつけるという段階。それを重ねていくしかない」

 無抵抗で黒星を重ねた昨季。シーズン101敗(61勝)の中で、イチローが打点を挙げた試合の勝率は・485だった。今季は7勝3敗となり、勝率7割。特に13打点中、8打点が7回以降に生まれており、チーム成績に直結している。この試合も相手に大きなダメージを与える打点だった。

 2―0の7回2死二塁。2ボールになったところで、レ軍はマイク・マダックス投手コーチがマウンドに来た。一塁は空いていたが、敬遠ではなく、勝負を選択。結果は1球のファウルを挟み、元広島ルイスが投じた90マイル(約145キロ)外角直球を左前へ運んだ。

 「(敬遠かもという)気持ちが起こるのはしようがないし、消せない。それ(意識の遮断)をしようと思っている間はそのレベルに達していない。平常心を保とうとする人と一緒。それでは前に進めない」。平常心を保とうとすれば、無理が生じる。揺れ動く精神状態を受け入れた上で結果を出す。イチローが身につけてきたすべだった。

 3回には無死二塁で自身が凡退した後、2番ロドリゲスが適時打を放った。「僕の中で(負担が)軽減されることはないけど、気持ち的に助かる」。これまで何度も失望してきたチームとは違う。イチローは今、希望を持って戦っている。

 ≪小学校訪問で大歓声浴びた≫イチローが試合前にシアトル近郊の小学校を訪問した。児童に教育の重要性や薬物禁止を訴える球団の恒例イベントは14回目を迎え、監督、コーチや選手らが数人に分かれて各小学校を回った。イチローは抑えのリーグらとともに訪問した学校で、大きな歓声を浴びた。エリク・ウェッジ監督は「正しい方向性を示せれば、どの子供も成功する可能性を秘めている。その手助けができればうれしい」と話していた。

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