館山2戦連続完封!“ヤク進”9連勝で貯金6

[ 2011年4月29日 06:00 ]

<ヤ・巨>完封勝利を挙げ、女房役の相川とガッチリ握手をする館山(右端)

セ・リーグ ヤクルト4-0巨人

(4月28日 静岡)
 ヤクルトの館山昌平投手(30)が28日の巨人戦で、自身2試合連続となる完封勝利。今季2勝目を挙げた。多彩な変化球を駆使して、相手打線を2安打に抑えると10奪三振も記録。9年目右腕の好投で貯金は今季最多6。小川淳司監督(53)にとっては、監督代行時代の昨年8月以来2度目となる9連勝で、首位もがっちりキープした。今年のヤクルトは何か持っている。

 理論好きな男の、理屈抜きのガッツポーズだった。4点リードの9回。館山は2死二塁で巨人・小笠原を空振り三振に斬り、思わず右拳を握り締めた。「前回に続いて、まさかだった。最後まで立っていられて凄くうれしい」。21日中日戦(神宮)から2試合連続完封勝利で、チームの9連勝に貢献。昨年8月にも2試合連続を達成しており、2年連続は金田正一以来球団史上2人目の快挙だった。

 天敵を封じた。7色の変化球を操る中日キラーだが、巨人戦は昨季まで通算27試合7勝8敗、防御率4・96と分が悪い。中でも小笠原には09年に17打数10安打、打率・588と打ち込まれ、昨季は対戦がなかった。

 「2年あれば体も変わる。全部打たれているわけでもないので、いい数字だけを頭に入れた」

 この日は小笠原を4打席全て三振に斬った。初回は内角の146キロ直球で見逃し。2打席目の4回は大胆に真ん中のチェンジアップで空振り。7回は再び直球で振らせ9回は初球チェンジアップでストライクを取り、1ボール2ストライクからフォーク。荒木チーフ兼投手コーチは「全部(の球種が)使えた」と称賛。館山は山のようなデータを分析した相川の気合にも感じ入り、サインにほとんど首を振らず10奪三振の2安打完封を飾った。

 3月17日に30歳を迎えたがまだ肉体は進化中だ。投手には禁物とされたウエートトレーニングをいち早く導入。プロ1年目83キロだった体重は97キロに増え太腿回りは右70センチ、左68センチと格闘家なみの筋肉を手に入れた。さらに、昨年メジャー挑戦で渡米したメッツ・五十嵐から「ウエートトレをしたら足も速くなる」と聞き登板前の50メートル走を日課に取り入れた。6秒台後半から6秒4までタイムを縮めると、探求心が高じて陸上スパイクまで新調。この日は自己ベスト6秒08を叩き出していた。

 チームは貯金6で首位をひた走る。小川監督は「素晴らしかった。きょうは満点。言うことない」と館山を称えたが、昨年8月以来の9連勝に導いた監督自身も記録に名を刻んだ。9連勝を複数回経験した監督は野村克也(4度)以来球団史上2人目。謙虚な指揮官は「選手がよく頑張ってくれた。そう簡単に9連勝できるものではない」と選手に花を持たせた。

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