遅球ハマった!唐川 強風味方に12K2勝目

[ 2011年4月28日 06:00 ]

<ロ・オ>強風に帽子を飛ばされながら力投する唐川

パ・リーグ ロッテ12―1オリックス

(4月27日 QVC)
 最大風速14メートル。ロッテ・唐川が初回、坂口へ1球目を投げ込むと同時に帽子が吹き飛ばされた。強い海風は珍しくないQVCマリンでも今季一番の強風。だが、悪条件も利用できるすべが4年目右腕にはあった。

 「初回からストライクが入って良かった。三振の数は気にしていない。遅い球でも三振が取れるなというぐらい。風のおかげです」

 最速は140キロが1球あっただけ。あとは徹底して制球を重視した。バックネットではね返った風は、投手にとって向かい風として戻ってきて球に変化を与える。2回先頭のT―岡田を99キロカーブで空振り三振。5回も坂口のバットを99キロカーブで空を切らせた。ブレーキがかかった遅球は、ドロップのような落差の大きな軌道で本塁上を通過した。本来はスライダーが決め球の唐川が、この日は追い込んでから変化の大きいカーブを多投した。球に角度を付けることを意識して低めに集めた。曲がりが大きくなることを予測し、普段と違う場所を狙った。「ブレーキがかかってくれた。真ん中あたりでも、見逃しや空振りが取れた」。8回を3安打1失点。自己最多の12奪三振で2勝目をマークして、してやったりの表情だ。

 成長はイニング間のキャッチボールにも見て取れた。昨季まではベンチ横のカメラマン席の前で行っていたが、今年は撮影の妨げにならないようベンチ前で行う。周囲に目を配る余裕ができたことは、マウンドでの冷静な投球にもつながる。強風でオリックス各打者が集中力を欠いていたのを察知。制球を重視して早めに追い込むことで、精神的にも優位に立った。

 前日に成瀬が2試合連続完封したのもモチベーションになった。「成瀬さんがいつもいい投球をするので。今のところ続けているので良かった」。若き右腕は、エースと競うように白星を伸ばしていく。

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2011年4月28日のニュース