23年目で初!?石井「クタクタ」も首位守った

[ 2011年4月24日 06:00 ]

<広・ヤ>3回1死二塁、石井琢は中前打を放つ

セ・リーグ 広島6-6ヤクルト

(4月23日 マツダ)
 広島はヤクルトと今季両リーグ最長4時間10分の死闘の末に引き分け。9回に追いつかれて勝ち星こそ逃したが、何とか首位は守った。仕事をきっちりこなしてチームに貢献したのは、不調の東出に代わって「2番・二塁」で今季初スタメンのベテラン・石井だ。

 3回、外角スライダーを中前に運び今季初安打をマークすると、4回には三遊間を抜く左前打。6回にも中前打を放った。40歳7カ月での猛打賞は87年衣笠祥雄の40歳5カ月を更新する球団最年長記録。安打だけでなく、初回は無死二塁から送りバントをきっちりと決め、8回は粘って四球とつなぎ役を完璧にこなした。ただ、誰よりも勝利を追求し続けてきた男は追いつかれての引き分けに「勝てば何でも話すんですけどね…すいません」と言葉少なだった。

 二塁でのスタメンもプロ23年目で初めてだった。横浜時代に遊撃と三塁で通算4度のゴールデングラブ賞を獲得した名手。二塁は昨季は途中出場で4試合守っただけで「(二塁スタメンは)人生初です。全神経を使ってクタクタです」と振り返ったが、初回、先頭の青木のゴロをいきなり処理するなど、4本のゴロを無難にさばいた。

 野村監督は「不慣れなポジションでもしっかり守ってくれました」と頼りになるチーム最年長を最敬礼でねぎらった。高ベンチコーチも「タク(石井琢)の場合は安心して任せられる」と信頼を寄せた。進化し続ける40歳が、また一つ、チームのオプションを増やした。

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2011年4月24日のニュース