赤ヘルの役満男…丸、プロ初本塁打で首位ガッチリ

[ 2011年4月20日 06:00 ]

<横・広>4回無死一、三塁、右越え3ランを放つ広島・丸

セ・リーグ 広島5―3横浜

(4月19日 横浜)
 猛攻撃の締めくくりは売り出し中の若コイだった。広島は栗原の2点二塁打で逆転した4回、なおも無死一、三塁の好機に4年目の丸佳浩外野手(22)が右翼席上段にプロ初本塁打となる1号3ランをぶち込んで横浜を突き放した。先発の前田健も7回3失点の粘投で今季初勝利を挙げるなど、投打がガッチリとかみ合った。これで1分けをはさんで4連勝。首位をしっかりキープした。

 完璧にとらえた打球は強い追い風に乗り、右翼席上段まで飛んだ。初めての感触を味わいながらベースを一周すると、ベンチには野村監督を先頭に、笑顔の列ができていた。売り出し中の丸も、それに満面の笑みで応える。「最高です。打った瞬間、手応えがなかったので、入ったと思いました」。独特の表現で一発を振り返った。

 猛攻を締めくくった。1点を追う4回、先頭・広瀬の右前打を合図に猛攻が始まった。トレーシーの右越え二塁打で無死二、三塁とすると、5番栗原が左翼線へ逆転二塁打。さらに岩本の中前打で一、三塁の反撃チャンス。丸は迷いなく打席に立った。

 「球を動かしてくる投手なので、どれもこれも追いかけるのでなく、思い切っていった」

 2球目の内角カットボールを強振すると、打球は一直線にスタンドへ。広瀬から5連打。わずか8球で一挙5得点のトリを飾った。

 横浜スタジアムでは千葉経大付3年時の春季関東大会準決勝・日大三戦で本塁打を放ったことがある。この日の飛距離は120メートル。「その時は中段。でも今日のは完璧に風でしょう」。プロ初本塁打とともに、本人の記憶する中では人生最高の飛距離でもあった。

 吉兆があった。丸は勝負勘を養うため、マージャンを趣味とする。シーズン前、人生で初めて役満の天和(てんほう)を上がったという。初天和、初開幕1軍、そして初本塁打。“持っている男”は飛躍への階段を着実に上り始めた。

 ◆丸 佳浩(まる・よしひろ)1989年(平元)4月11日、千葉県出身の22歳。外野手。千葉経大付では2年夏に外野手、3年春に投手で甲子園出場。高校通算49本塁打。07年高校生ドラフト3巡目で広島入り。昨年9月に1軍初昇格し、21日ヤクルト戦で初安打、初打点をマーク。今季は4年目で初の開幕1軍入り。1メートル77、80キロ。右投げ左打ち。

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2011年4月20日のニュース