野球出来ることに感謝!ダル誓いの「力勝負」

[ 2011年4月12日 06:00 ]

左腕でボールを投げるダルビッシュ

 野球ができる喜びを胸に抱きながら、5年連続で開幕投手を務める日本ハム・ダルビッシュはマウンドに上がる。

 「ここまで順調にきている。心身ともに充実している。昨年よりも全体的に直球が速くなっているし、変化球も切れている。今まで通り、しっかり試合をつくりたい。(震災下で)自分たちがやりたいことをできるのは幸せなこと」。日本最強右腕にとって特別なシーズンが始まろうとしている。

 未曾有の東日本大震災で、高校3年間を過ごした第二の故郷・仙台も甚大な被害を受けた。「あれから1カ月。これまでいろんなことがあった。みんなは(1カ月で)区切りをつけたがるけれど、まだまだかな」。東北地方には同じグラウンドで白球を追いかけた仲間や世話になった恩師や知人がたくさんいる。いまだに復興の兆しが見えていない現状は十分に理解している。

 それでもダルビッシュは野球で被災者を元気にしたい。そんな気持ちが強い。「自分の投球がどれだけ被災地に届くのか分からないが、自分の仕事を全うしたい。まずは西武打線と力勝負をしたい」。昨季はリーグトップの150本塁打をマークした強力打線が相手でも真っ向から立ち向かっていく。そんな投球が少しでも困難に直面している被災者の勇気になってくれたら、と願っている。

 ▼日本ハム・梨田監督 震災で開幕が延期となり、選手は野球をやっていていいのかと疲れはあったはず。でも野球は楽しく勝負を争うスポーツ。戦う前から下を向くものじゃない。あすは元気良くグラウンドを駆け抜けてほしい。

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2011年4月12日のニュース