サブマリン牧田、渡辺俊と対決 先発5番目の男へ

[ 2011年4月8日 06:00 ]

<西・ロ>西武先発の牧田は、6回2失点の好投 

練習試合 西武3―3ロッテ

(4月7日 県営大宮)
 西武のドラフト2位・牧田和久投手(26=日本通運)が7日、ロッテとの練習試合(県営大宮)に先発し、6回2失点の好投を見せた。9安打を許したが、要所を締める投球でロッテ・渡辺俊介投手(34)とのサブマリン対決で即戦力の実力を証明。実戦5試合で結果を残し、開幕2カード目となる17日のソフトバンク戦(ヤフードーム)で先発デビューすることが濃厚となった。

 牧田にとって開幕前の最終登板は、願ってもない相手との投げ合いだった。憧れの存在であるロッテ・渡辺俊。現在の日本球界では珍しいアンダースロー対決だった。結果はともに6回2失点。ルーキーと11年目のサブマリンは、互いの印象をこう語った。

 牧田「俊介さんは簡単に打ち取っていた。タイプは違うと思いますけど、これからも見て覚えたり盗んだりしたい」

 渡辺俊「ワクワクした。クイックもうまいし、急造ではないから自分のスタイルがある。こんな攻め方があるんだと、面白かった」

 初回、牧田は1死二塁のピンチを背負ったが、井口、金泰均を120キロ台の直球で詰まらせて無失点。6回まで毎回の9安打を許しながら、粘りの投球で2失点にまとめ「走者を出しても自分の投球を心掛けました」と胸を張った。モーションが大きいアンダースローにもかかわらず、クイックはチームでもトップクラスの1秒0台(平均は1秒3)を計測する。走者に気を取られることなく打者に集中する技術に、渡辺監督は「走者を出してもベンチに安心感を与える。落ち着いているのは評価できる。崩れそうにない」と褒めた。

 高校1年時に下手投げに転向し、渡辺俊の投球フォームを参考にしたことがある。「まねしようとしたんですけど、あの体の使い方はできなかった。いろいろな所が痛くなったりしたので無理だと思いました」と振り返る。5日の試合前にあいさつし、この日の投げ合いを楽しみにしていた。

 3回に対外試合22イニング目で初失点したが、実戦5試合は防御率0・72。「最後に打たれて逆に良かったかなと思います」と不安はない。デビュー戦は17日のソフトバンク戦が有力だ。「シーズンに入ったら雰囲気が変わると思いますけど、どんな場面でも自分の投球を心掛けていきたい」と牧田。チームでは「兄やん」こと松沼博久氏以来のアンダースロー投手として、クレバーな投球を披露する。

 ◆牧田 和久(まきた・かずひさ)1984年(昭59)11月10日、静岡県焼津市生まれの26歳。静清工(現静清)1年時に下手投げに転向、3年夏は県16強。平成国際大では通算19勝。日本通運から昨年ドラフト2位で西武入団。1メートル78、78キロ。右投げ右打ち。

 ▽プロ野球のアンダースロー投手 プロ野球史上もっとも実績があるのは歴代7位の通算284勝を挙げた山田久志。同じく通算187勝の足立光宏とともに阪急黄金期を支えた。古くは皆川睦雄、杉浦忠(南海)秋山登(大洋)らがいる。西武では松沼博久が80年代に活躍した。

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