西岡ホッ…「最悪」から「最高」のお膳立て打!

[ 2011年4月7日 06:00 ]

<ヤンキース・ツインズ>延長戦を制して逆転勝ちし、笑顔でナインとタッチを交わす西岡剛

ア・リーグ ツインズ5―4ヤンキース 

(4月5日 ニューヨーク)
 ツインズの西岡剛内野手(26)が5日(日本時間6日)、ヤンキース戦で逆転勝ちに貢献した。同点の延長10回に技ありの右前打を放ち、絶好の得点機をお膳立て。直後に決勝打が飛び出した。2度の見逃し三振とバント失敗を帳消しするとともに、チームにとって鬼門のヤンキースタジアムで4点差をひっくり返す価値ある白星につなげた。
【試合結果】

 試合後のクラブハウスで西岡に「ムイマロ(muy malo=最悪の)・バント、エクセレント・ヒット!」と声が飛んだ。満面笑みのロン・ガーデンハイアー監督だ。なぜかスペイン語交じり。苦手のヤンキースに一泡吹かせたことに興奮を隠せなかった。

 極限状態から快音が生まれた。4―4の延長10回無死一塁、送りバントのサインが出た西岡は2球続けてファウル。ここで頭を整理した。「きょうのストライクゾーンは広い。際どいのは全部振っていこうと。外角に来たので右に打った」。3球目、ボール気味の外角球を右前へ。無死一、三塁と好機を拡大。一塁塁上では思わず、小さくガッツポーズしていた。

 「2番打者としてサイン通りに送ることがベストですけど失敗してしまった。その後引きずらずに打てたのがよかった。ホッとしましたね」。直前の打席、0―4の8回1死満塁で3球三振に倒れるなど、2度の見逃し三振。外に広いメジャーのストライクゾーンの見極めに苦しみ、チームワーストの7三振していた男が、シンプルに考えることで苦境を脱した。自身にとって右打席では今季初の逆方向への安打。失敗を糧に、つなぎ役として最高の結果が出た。

 直後に3番マウアーが勝ち越しの右前打。今季初の適時打に「ニシが走者を三塁まで進めてくれたのが大きかった。外野フライでも良いからね」と西岡に感謝した。

 前日の敗戦を含めて02年以降、4勝26敗、勝率・133だった苦手のヤンキースタジアムで、4点差以上の逆転勝利は14年ぶり。「こういう勝ち方はいい勝ち方。チームにも勢いがつく」。そう話す西岡も、さらに勢いづくはずだ。
 
 ≪役割しっかり≫西岡はロッテで206安打を放った昨季、右打席で記録した安打は67本。うち逆方向は18本で、全体の26・9%。三塁、遊撃、左翼方向へ引っ張っての安打は32本で47・8%と半数近い。右打席では元来プルヒッターの西岡だが、この日は状況を踏まえて流し打ちし、2番打者の役割を果たした。

 ≪97年5月5日以来!≫敵地ヤ軍戦で過去9季連続で負け越しているツインズが、敵地で4点以上のビハインドを逆転したのは97年5月5日以来14年ぶり。この試合では1―5で迎えた5回にノブロックのソロ本塁打などで3点を返し、5―5の7回に4番ロートンの適時打などで2点勝ち越し。以降も両軍が点を取り合った末、9―8で逃げ切った。

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2011年4月7日のニュース