イチロー肩で魅せた!松井を三塁で刺す

[ 2011年4月5日 06:00 ]

<アスレチックス・マリナーズ>2回、スズキの右飛を捕球するイチロー

ア・リーグ マリナーズ1ー7アスレチックス

(4月3日 オークランド)
 松井にばかり見せ場は譲らない。マリナーズのイチローが、「日本デー」の注目対決で強烈な存在感を示したのは2回だ。日米通算2500安打が達成された直後。スズキの右飛で二塁走者の松井がスタートを切るのを見るや、矢のような送球で三塁でアウトにしてみせた。

 「あの距離では普通あんまり(スタートを切るのは)見ないですね。僕がランナーでも迷うところですね。多分、行かないんじゃないの」。ワンバウンドでドンピシャのストライク送球。10年前の01年、メジャー初補殺を「レーザービーム」と名付けられたオークランドの地で、松井の節目の記録に沸いたスタンドを一瞬で沈黙させた。

 走者が誰でも、球場に漂う祝福ムードにも、イチローのプレーへの意識と精度は変わらない。

 「普通に投げればアウトになるから。実際凄く(指に)掛かった球でもないし、普通に投げただけ。コントロールは大体。(松井に)当たったらしようがないし、なかなかそこ(当たらない角度を考える)までは難しいですよ」。打っても初回、開幕3戦連続安打となる左前打。打率は・417と、これまでのスロースターターとは違いバットでも好発進している。

 東日本大震災を支援する「日本デー」。試合前には、イチローと松井が開幕戦で着たサイン入りユニホームが慈善オークションにかけられた。松井の落札額が4555ドル(約38万2600円)に対し、イチローは6015ドル(50万5300円)。その送球だけでなく、ここでも先輩の貫禄を見せた。被災地、日本へのメッセージ。「今年は別の思いが入ってくる」とシーズンを迎えたイチローは、海の向こうへとハイレベルなプレーを発信し続ける。

 ◆イチローの「レーザービーム」 01年4月11日のア軍戦の、3点リードで迎えた8回1死一塁。右前打を処理したイチローは三塁へ、超低空のノーバウンドで約60メートルのストライク返球。ア軍で1、2を争う俊足のロングを刺してメジャー初補殺を記録し、敵地のファンを沈黙させた。中継したFOXテレビのアナウンサーは「レーザー光線のようだ!」と絶叫。シアトル・タイムズ紙は「The・Throw(スロー)」と書いた。

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2011年4月5日のニュース