金本165日ぶり守備…開幕戦出場へ“関門”突破

[ 2011年3月21日 06:00 ]

<日・神>1回2死、糸井の左翼線の打球を処理した金本は中継にスローイング

オープン戦 阪神2―2日本ハム

(3月20日 札幌ドーム)
 本能だろうか。右肩の負担を抑えるために練習で走る時は脇を締めて振り幅の小さかった右腕を振って走った。球を追うためだ。3回2死三塁から稲葉の飛球が左翼左後方へ。上がった瞬間は痛打に見えた打球を阪神・金本がつかみ取った。昨年10月6日の横浜戦(横浜)以来、165日ぶりの実戦守備の解禁。開幕戦出場へ向けた最後の関門を乗り越えた。

 試合直前、初参加のシートノックで試運転を済ませ、本番に挑んだ。初回から打球が飛ぶ。2死から糸井の左翼線二塁打を処理した際は中継に入った鳥谷へ返球。続く中田の左前適時打では同様に中継に構えた鳥谷ではなく自分の判断で二塁ベースカバーの平野へワンバウンドで返した。3度目の打球処理が5回に出た好捕。6回の打席後に退き、大過なく節目の日を終えた。

 春季キャンプ序盤の段階では実戦守備を経ないまま開幕を迎える可能性も出ていた復帰計画。順調な回復が3月中旬の上方修正を後押しした。キャンプ中に取り組んだ右肩負担を軽減する送球時の足の運びも当初の1ステップから2ステップに変更することでより万全を期した。「何とか無難にね。(開幕戦も)いけるんじゃないかな」。真弓監督はうなずいた。

 山脇守備走塁コーチも不安視していない。「焦ってステップしないようにと言っていた。よかったんじゃないか。あとは試合勘や慣れだけ。練習と違って緊張感があるだろうから体も張ると思うよ」。打撃では4回に中前打。開幕戦で想定される『6番・左翼』を今春初めて攻守両面で実体験できた。厳密に言えばオープン戦初出場ながら“実戦的合同練習”を含めれば13打数4安打。守備面より先行していた打撃面での仕上がりは順調だ。

 21日はDHか代打で打撃限定の出場を予定。現時点での照準は4日間だけ延びた3・29へ―。復活へ歩んできた階段、その最後の1段をついに上がった。

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2011年3月21日のニュース