矢野氏メールに感激…光星学院“全力プレーを”

[ 2011年3月21日 06:00 ]

元気よくグラウンドに駆け出す光星学院ナイン

センバツ甲子園練習

 憧れの地での練習。同時に光星学院(青森)の仲井宗基監督は、憧れの先輩からのエールを喜んだ。

 メールで激励してくれたのは、スポニチ本紙評論家で元阪神の矢野燿大氏。「困ったことがあったら連絡してこいよ。気兼ねしないで、俺にできることは協力するから」――。指揮官にとって矢野氏は母校・桜宮、東北福祉大の2年先輩で、大学時代は寮の同部屋で過ごした間柄。温かい言葉に「本当にありがたいです」と恐縮しながらも大感激だ。

 ただ、周囲では喜べないことの連続だった。震災時は合宿地の沖縄から飛行機で羽田へ向かっていた。着陸直前だった搭乗機は沖縄に引き返すことになり結局、青森に戻れないまま大阪入りした。荷物は前日に届いたばかり。当初は甲子園用のユニホームもなく、アンダーシャツやシューズは大阪でそろえた。

 「最初は不自由でした。でも被災した方々に比べれば、ぜいたくな話。長袖のシャツがないぐらいで。当たり前にあった幸せを感じられる機会になったと思う」と仲井監督。ニュースでは小学生の女の子が家を流され、家族も安否不明となっている姿を見て涙した。「命を落とされた方は夢を見ることもできなかった…」。応援団はもちろん来られないが、主将の川上は「仕方ないです。どこかで応援してくれていると思う」と話した。選手たちはシートノックでも全力プレーを合言葉に、元気に練習。夢を見させてくれた甲子園から、地元に希望を運ぶ。

続きを表示

この記事のフォト

2011年3月21日のニュース